嫌われ

木兎さんの事件があった1週間後

木兎さんがいなくなっても

あまり変わらなかった

変わったことといえば

俺が主将になったことと

エースがいなくなったこと

あと一つは

みんな

静かになったことかな。

木兎さんがいなくなって。

ムードメーカーがいなくなったからか

みんな元気なくて。

昨日の練習試合は散々だった

知らない。？

何言ってるんだよ。

俺らのせいだろ？

知らないわけないだろ？

なんでだろ。

何故か。早く行きたい。

いや。早く行かないといけない。

そんな気がする

自分。足速いのな

ピンポン

いない。？

そんな訳ない。

開いてるかな。

ちょっとした罪悪感を抱きながら

木兎さんの家の

玄関のドアノブに手を掛けた

ｶﾞﾁｬ

ｽｰｯ

みんな

強制退部だ。

みんな？

みんなって。だれ？

いつまでたっても。

信用できる仲間は

できないんだな

そう思いながら

自分の腕から出てくる

綺麗な赤い液体を

ただただ眺めていた

ｶﾞﾁｬ

後輩が。家に入ってくるとも知らずに

なんでだろ

最近会ってなかったからか

こわい

その感情しか

湧き出てこなかった

泣きたい

でも

赤葦に

泣いてる姿なんて見せたくなかったから。

早く帰って欲しくて

変な対応をした

でも。赤葦には効かなかった

泣きたいのは木兎さんのほうなのに

泣きたいのは。俺の方だよ。

あんなに綺麗に泣く人が

やめてｯ

あぁ。綺麗だな

そう思いながら

木兎さんの手を引き

外へ出た

見損ないました

少し涙目になった先輩の

言葉なんか無視して

体育館へ向かった。

みんなの誤解をとくため

木兎さんと。

またバレーをするため