結局僕らは誰にも愛されたことなどなかった
悠真
(……どうやら神様にも……)
悠真
(そんな嫌な共通点で簡単に信じ合ってきた……)
悠真
(いや…嫌な共通点だからこそかもしれない…)
君の手を握ったとき
かすかな震えもなくなっていた
悠真
(僕は…ただただ君のことがすごいと思う…)
やっぱり生きて行くには…金が必要だ…
それして働けない僕たちが金を手に入れる方法は一つしかない…
盗みをすることだ…
店員
おい!お前らまて!
悠真
逃げるぞ琴音!
琴音
うん!
僕たちは盗んで逃げてを繰り返している
どこにまでもいける気がしたんだ
今更怖いものは僕らにはなかったんだ
あぶれ者の小さな逃避行の旅だ
警察官
あれ…?君たち子供だけでこんな時間に何をしているんだ?
悠真
……塾の帰りなんですよ…
警察官
ねぇ?君たち顔をよく見せてもらえないかな?
琴音
悠真!逃げるよ!
悠真
おう
警察官
おい!コラ!待て!
琴音
はぁ…はぁ…
悠真
振り切ったか?
琴音
うん…なんとか…
琴音
ねぇ?悠真?
悠真
どーした?
琴音
もし神様や運命が優しかったら
琴音
誰が私達のことを助けてくれる人に出会えるかな?
悠真
…………俺は…そんな夢なら捨てたよとっくに…
悠真
でも…………もし居るなら今すぐにでも来て欲しい…
悠真
なんなら居るなら今すぐ来るだろ?
悠真
そしてしあわせの4文字さえなかった
悠真
今までの人生で思い知ったよ
琴音
うん…やっぱりそうだよね…
僕はこの時のことを一番後悔している
もし、僕がこんなことをいわなければ
助けに来るよって言えば
彼女はこんな嫌な運命をたどらなくてもすんだかもしれない
僕は彼女を守れなかった
大切な彼女を…
僕はダメ人間だ







