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ザシュ_!!
システ
血を纏った鋭い腕が システの頬をかすめる。
見ただけでわかる。 切れ味は申し分ない。
鋭い腕に着いた血糊を観ながら、 不満げな口をこぼす。
システ
恐らく挑発ではない。
この女が本当に思っている事だ。 システにはそう思える。
システ
システ
不気味な笑みを向け、 挑発的で狂気的な態度を 依然変えない。
ジユ
ヤバイ奴だ。
地下にもよく居た。
でも地上には、 もっとヤバイ奴らが居る。
桁違いの殺意、敵意、異常さ。
ジユ
ジユ
パキッ……!!!!!
システ
黒い閃光。 その手中から"黒"が這い出る。
形は、棒。
持ち手が細く、先が太い。
材質は、鉄。 銀色ともいえる錆び気の無い 鉄の色だ。
パキ…パキン……!!!!
…パシッ
"金属のバット"というらしい。
ジユ
ジユ
システ
ジユ
こいつらは ベクトとシステを傷つけた。
ジユ
今の俺は執行隊だ。 つまり傷付けられたのは、 俺の仲間だ。
だから。
ジユ
ジユ
ダッ_!
両者同時に距離を詰める。
ブンッ…!!
ゴチ_!!!
ジユ
頬を赤らめ笑う。
正直、少し気色悪い。
ス…
ジユ
ブオッ…!
瞬時に、距離を詰める。
速すぎる。 既に射程圏内だ。
ブン!!
ブンッ!!
ブゥン__
ジユ
連続して躱す。 が、ずっとは無理だ。
パキ……!!
手中に黒。 さっきと同じものをイメージする。
ジユ
ズオッ……
ガキン…!!!
金属同士が擦れ合い、 小さな火花を散らした。
ジユ
…バリッ!
ピシ_!!
女の手にあるバットに 黒い電流が走る。
瞬く間にヒビが入り、 自壊し、塵となった。
ジユ
無防備になった隙に飛びかかり、 バットを振り下ろす。
バシッ!!
ジユ
しかし、容易に素手で掴まれる。
ギリギリ…! おかしい。
押さえつけている分、 優位はこっちのはずなのに どんどん押し返される。
ジユ
ぐに…
ジユ
ジユ
後ろに態勢を崩し、 女が歩み寄る。
ザ_
……バチバチッ!!!!
そこには、不可視の地雷。
ジユ
ドス…!
腹に食い込んだ脚が 女を蹴り飛ばす。
しかし、女は倒れる素振りも見せず のらりくらりと体勢を整える。 脅威の体幹、いや、 "硬い"と言うべきか。
システ
ジユ
システ
たら……
ジユ
システ
ジユ
システ
((コイツは_))
((ヤバイ…!!!))
ダッ…!!!
シュ_
逃亡。
このままでは、まるで消耗しない あの女には勝てない。
それに、なんだか身の危険を感じる。
即座に、奥に身を隠していた ファム、レラと合流した。
ジユ
ジユ
システ
システ
ガチッ…ガチッ…ガコンッ!!
フィム
システ
ジユ
フィム
腕をまくり、髪を留め、 額に汗をかきながら必死に工具を 振り回している。
今やただの鉄の箱ではない。 細長い 赤や黒色の紐や 数々のタンクとチューブが むき出しになっていた。
フィム
フィム
レラ
ボッ…ボフゥゥゥ…!!
ガンッ!…ゴンッ!!
フィム
フィム
システ
ザッ…
システ
ガシッ_!!
ジユ
システ
システ
システ
ジユ
システ
ジユ
ジユ
ジユ
さっきまで、未知の強敵にどこか 心躍らせていた自分に。
俺の仲間に手を出したこいつらに。
フィムの大事なものを壊した あいつに。
ザッ…
ジユ
ジユ
ロケットランチャー。
ロケットの、ランチャー… ということだろうか。
後ろから火を吐いて、飛んで
先端の"膨らみ"、 おそらくあれが爆発した。
ジユ
パキキ_!
ジユ
…パキキッ!!!
まずは形。
持ち手は太く、 中に空間を作る。
弾の先端のみ突き出る長さで、 かつ存在する全ての凸凹が 噛み合うように。
"矛盾"を徹底的に消す。
黒くムラのない塗装で 武骨な輪郭に不気味さが増した。
漆黒の巨砲。
漂う重厚さと鈍甲さが 一直線上の全てを威嚇している。
ガ チャ_ッ!!
遠くを見やり、 その不動のガスマスクと目を合わせる。
ジユ
ガスマスクの男
ガスマスクの男
ジユ
ジユ
ガスマスクの男
ガスマスクの男
ジユ
ジユ
ジユ
ジユ
ジユ
ガスマスクの男
男が黙り込む。
当然、表情は見えない。 しかし男は堂々とその場に立って、 威圧するようにこちらを見続けている。
ガスマスクの男
ガスマスクの男
男が曇った声で不気味に笑う。 冷ややかに、まるで嘲笑するように。
ガスマスクの男
ジユ
ガスマスクの男
ガスマスクの男
ガスマスクの男
ス_
それまで微動だにしなかった男が 腕をあげる。
ジユ
反射的に警戒を強める。
よく見ろ。 観察して、動きを。
__
__ピッ。
指した。
ジユを。
人差し指で。
それだけだった。
…それだけなのに
ガスマスクの男
ガスマスクの男
ガスマスクの男
ガスマスクの男
ガスマスクの男
ガスマスクの男
ガスマスクの男
ガスマスクの男
そして、指を指したまま、 こう言う。
ガスマスクの男
ガスマスクの男
ガスマスクの男
システ
ジユ
ガスマスクの男
ガスマスクの男
ガスマスクの男
ガスマスクの男
ガスマスクの男
"なんでそれを"とは言わない。
一方的にジユの事を知っていた時点で こちらの事は漏れている。
何故かなんてどうでもいい。
ジユ
ガスマスクの男
ガスマスクの男
ジャ………
ガスマスクの男
ジャラッ_!!!!!!
ジユ
腕と構えたランチャーに、 "紫色に光る鎖"が伸びる。
鎖はそれらに巻き付き 身を拘束し 身体をぎゅっと縛り付けた。
ギギ……!
ジユ
ジユ
ヒュン_
ジユ
真横から、 真っ赤に染まった拳が飛んでくる。
やけに刺々しく、鈍々しく、 獣の鋭い爪のような形だ。
……ッジジ__
バリ__ッ!!!!
刹那、雷閃が迸る。 青い。 水色のような、淡くも力強い "天"からの一閃。
システ
『 拡 顕 禁 域 』
ペナルティ・アンチゾーン
"システ=クウィンリエ"の過罪能力 【侵入】
設定した領域内に "侵入"した個体を対象に 雷撃による神経異常を起こす能力。
過罪能力は脳の"術式回路"によって その術式を記憶する。
【侵入】の過罪術式『禁域地雷』は 彼女が設置した"見えない地雷"を 踏んだ個体に効果を及ぼす。
しかし過罪術式『拡顕禁域』は 彼女自身を起点とし、半径6m以内の 個体に効果を及ぼすもの。
それは地雷ではない。 故に、一度きりではない "耐えない雷鳴"が敵を襲うのだ。
不可視かつ、不可避の禁域。
バリ_!!!
バリ_!!!!!
バリ_ッ!!!!!
ジャリッ……
ガスマスクの男
紫の鎖が触手のように伸び、 女の身体を引き寄せる。
ミリエラ
ガスマスクの男
ミリエラ
ミリエラ
ザリ_
ミリエラ
ザリ、ザリ…
女は自分の鋭い爪で両腕の肉を裂き、 血を垂らす。
それは流水のように どぼどぼと 流れ落ち、宙に沈澱する。
ゆらゆらと浮くその塊は形を変え、 赤い戦斧を象っていった。
『 染 桜 骸 』
プロテクトレイニー
—戦斧—
メイス
ミリエラ
ミリエラ
鋭利でありつつも勇ましく、 また猛々しく雲に伸ばす。
無論厄介だ。 リーチが上がっては近接戦闘で かなりの不利になるだろう。
ガスマスクの男
ミリエラ
ミリエラ
ガスマスクの男
ミリエラ
ガスマスクの男
ガスマスクの男
ブォン_
斧をこちらに向け、 目を合わせる。
なぜだか挑発的に、 突っ込むタイミングを見計らって いるようだ。
システ
ジユ
ジユ
システ
システ
青い髪が重力に反して浮いている。
彼女の側にいると、 空気がピリついているのがわかる。 物理的にだ。
システ
システ
彼女は手をパーカーのポケットに 突っ込んだまま歩き始める。
ガスマスクの男
ジャラッ!!
マスクの男が再び紫の鎖を出す。
輪郭がぼやけて見えるが よく見ると淡く光っていて、 少し半透明にも見えた。
その鎖は空気を引き裂き 風切り音を 奏でながら躍り出てくる。
ヒュオッ__
躍動する鎖が大きく横に薙ぐ。
しかし低い。 飛んで躱す。
ジユ
システ
はっと意識を返すと、 眼前に迫る鎖に一瞬気圧される。
スタッ___ しかし反射的に身体を捩り、 手をつき足を振り上げて後ろに避けた。
ズガッ…!!!
ヒュルッ…!
ジャリリリ!!
生き物のようにうねりながら あらゆる角度からの攻撃を繰り出す。
避けるだけでも精一杯というのに、 肝心のシステは易易と見切り 躱している。
システ
ジユ
ジャラ…!!!
マスクの男が腕をしならせ、 大きく弧を描くように鎖を放つ。
大振りな分、少し速い。
システ
元々、 彼女の能力は術式の維持だけでも 集中力を大きく削る。
無理やりの先攻に生じた綻び。 そこを突かれた。
ギャリィ…!!!
ジユが持つ漆黒の巨砲。
感覚でわかる。 能力の制限か、これは撃てない。
システ
ジユ
しかし、盾として。
システを守る壁としては充分だ。
ジユ