蘇枋
俺の背中から ポツリと一言が発せられた。 小さく呟いた様な声だったが、 俺の耳にはしっかり届いており、 顔が熱くなるより先に 驚きが来てしまっていた。
俺の背中に居る好きな人から ドクドクと早く鼓動する心臓の音が、 まじかに聞こえてきた。
俺は蘇枋が前言っていた 言葉を思い出し、 混乱に陥る頭を整理しようとした。
蘇枋
返事がない俺に向け、 蘇枋は優しく一言を付け加えていた。 俺を友人として好きだ。 そう十亀と話していた蘇枋と、 昔の事を思い出す。
周りの奴らには指を指し 笑われ、 騙され、 俺の生すらバカにされていた。
この告白も、 嘘なんじゃないか。 そう俺の経験が語っていた。 コイツらに限ってそんな事は無い。 そう思いたい
俺はまだ混乱する頭で、 蘇枋に臆する様に 話しかけた。
桜
蘇枋から、 すぐに返答はなかった。 少しの間を開けて、 蘇枋が返事をしてきた。
蘇枋
蘇枋
蘇枋
この返事に、 俺は心底ホットした。 きっと顔には 笑顔が溢れでていたかと思う。
桜
蘇枋
桜
そう答えた瞬間蘇枋の体が 強ばるのが分かった。 無意識なのか、 俺の肩を持つ手にきゅっと 力が入っていた。
桜
桜
桜
楡井
楡井
楡井
桜
この学級にも慣れてきて、 自然と笑顔が出せるようになってきた。 それはきっと誰かさんが 俺を信じさせてくれたおかげだろう。
蘇枋
蘇枋
楡井
桜
楡井
楡井がガクブルと 蘇枋を盾にし震えた。 その様子も、 もう見なれたもので、 騒がしい教室に目を向けた。
桜
楡井
蘇枋
遠い目をする2人に 思いっきり肘でつついてやった。 楡井は酷いっ!!!やら騒いで、 蘇枋は相変わらず胡散臭い笑顔をしていた。
窓から優しい風が吹き抜け、 そろそろ梅雨を感じそうな 匂いがした。
それでも今日は、 今日の天気は……
蘇枋
窓に腕をかけ外を静かに 見つめる俺に、 蘇枋は笑いながら喋りかけてきた。 この青すぎる空が コイツらに出会うまでは、 俺を見下しているかの様に 思えていた。
今は、 この青すぎる大空をみると、 心がスッキリ晴れてゆく感覚がした。
俺はスウッと息を吸い、 一言蘇枋にこう返した。
桜
2人の喉につっかえてしまった 飴は、熱くて甘い恋で 溶けてしまった。 2人を正直にさせたのは 2人の解けた言葉だけだった。
コメント
14件
時差コメすみません!! 一気見してたんですけど本当に主様の言葉選びだとか、ストーリーだとか心にくるものばかりで毎回うるってきてました😭😭 長い時を経て桜の感情だったりが変化してきてるのがわかって最終的に『日本晴れだ』って言ってくれて蘇枋さんも嬉しかったんじゃないかなぁって思います。 十亀が遠くから、でも近くから2人の甘酸っぱい恋を応援してるのにも感動しました😭
本当に最高の連載でした。蘇枋さんが空が綺麗というところや桜が日本晴れという発想がお洒落です。読み終わって心がスッキリするような物語を作ってくださりありがとうございます。 僕は切なさあるタバコの吸い殻をかき集め_も好きですが、後味がスッキリする飴玉も大好きです!連載お疲れ様でした!とても素晴らしい物語をありがとうございました‼︎
すごく良い作品でした! 終わって寂しい気持ちもありますが、最後まで見届けれて嬉しい気持ちもあります! 毎回読み終わったとき「次いつ出るかなー」と楽しみにしてました! 話を見て「あ!そういうこと!?」ってなった事もありました笑 自分出気づけなくてコメントで気づいた時もあります! 2人がめっちゃ可愛かったです! 凄く良い作品をありがとうございました!!