TellerNovel

テラーノベル

アプリでサクサク楽しめる

テラーノベル(Teller Novel)

タイトル、作家名、タグで検索

ストーリーを書く

最高のオムライス

一覧ページ

「最高のオムライス」のメインビジュアル

最高のオムライス

1 - 最高のオムライス

♥

6

2020年04月05日

シェアするシェアする
報告する

拓海

んー、だるい....。
なんだ、もう11時か.......

俺はしがない中年サラリーマン。 今日はせっかくの土曜だというのに、目が覚めたのは昼前だった。

このところ残業続きの毎日で、全然疲れが取れない。 起きたばかりだというのに、体は鉛のように重かった。

嫁は体が弱いので、我が生活は俺の稼ぎにかかっている

俺が仕事から帰る頃には嫁も娘も先に寝ているので、一人寂しく晩飯を食べる毎日

6歳の娘とも、最近はほとんど話せてない

とりあえず水でも飲もうとキッチンへ向かおうとすると、何やらいい匂いが漂ってきた

拓海

おはよー

拓海

なんかいい匂いするな?

梨里杏

パパ!

梨里杏

こっちこないで!

拓海

な、なんだよ.....

梨里杏

いいからあっち行って!

梨里杏

それと、ちゃんと着替えてよ!

拓海

はいはい、わかったよ

父親に対してその言い方はないだろうと思ったけど、娘が嫌がるなら仕方がない

俺は黙って撤退した。

最近娘は、風呂上がりでパンツ姿の俺を嫌うようになった。 母も娘の味方で、

陽子

あなたももう少し気を遣ってあげて

と、俺に説教する

家族のために頑張ってるのに俺はいつも独りだ

拓海

まあ、いいや
部屋で寝てよう......

家にいても肩身が狭いだけ

午後からは休日出勤でもして、帰りにビールの一杯くらいでも飲んでこようか

俺はいったいなんのために頑張っているのだろう....

などぼんやり考えていると娘が部屋に飛び込んできた

梨里杏

パパ!
まだ着替えてないの?

拓海

うん

梨里杏

今日はレストランに行くから、綺麗なお洋服にしなきゃダメなの!

ん?レストランだと? そんな話は聞いてない

拓海

しらないよ、2人で行ってきなよ

梨里杏

だーめ。
早く起きてよーーーー

拓海

いやだ

梨里杏

おきて!!!

拓海

わかった!
わかったよ!
今着替えるから

娘があまりにも強引にまとわりついてくるので、俺は仕方なく起きることにした。

梨里杏

着替えたら次は抱っこ!

拓海

抱っこって......
はいはい.....

突き放したと思ったら次は甘えてくるのかよ

抱っこすると娘は両眼を覆ってきた。

拓海

それだと前が見えないんだけど

梨里杏

いいの!みえなくて!

拓海

よくない

梨里杏

いいの

拓海

あぶないだろ。
あんまりわがままいってると.....

梨里杏

いいよ! 目開けて

目を開けるとそこには大きなオムライスがあった

その隣には下手くそな字で書かれた看板がある

パパのためのレストラン

拓海

え、なに?

陽子

最近パパの元気がないから、笑顔が見たくて2人で一緒に考えたのよね!

梨里杏

うん! ね!

拓海

知らなかった

陽子

いつもありがとう!パパ

梨里杏

ありがとう!パパ

拓海

.....

そのオムライスは、卵は破れてるし、具ははみ出てるし.... まるで破れた餃子みたいだった

下手くそだけど、一生懸命作ってくれだんだろうな

.....本当バカなことしやがって......

一人で勝手に拗ねていた自分が情けない

バカはおれだ...。

梨里杏

冷めちゃうよ!
はやく召し上がれ!!

涙がこぼれないように、俺は超高速でオムライスをかきこんだ

拓海

(うまい! うますぎる)

梨里杏

(やった!大成功!)

陽子

(よかったね!)

大丈夫..... 大丈夫だ!

俺はまだ頑張れる!

拓海

本当にありがとう!!

この作品はいかがでしたか?

6

loading
チャット小説はテラーノベルアプリをインストール
テラーノベルのスクリーンショット
テラーノベル

電車の中でも寝る前のベッドの中でもサクサク快適に。
もっと読みたい!がどんどんみつかる。
「読んで」「書いて」毎日が楽しくなる小説アプリをダウンロードしよう。

Apple StoreGoogle Play Store
本棚

ホーム

本棚

検索

ストーリーを書く
本棚

通知

本棚

本棚