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拓海
俺はしがない中年サラリーマン。 今日はせっかくの土曜だというのに、目が覚めたのは昼前だった。
このところ残業続きの毎日で、全然疲れが取れない。 起きたばかりだというのに、体は鉛のように重かった。
嫁は体が弱いので、我が生活は俺の稼ぎにかかっている
俺が仕事から帰る頃には嫁も娘も先に寝ているので、一人寂しく晩飯を食べる毎日
6歳の娘とも、最近はほとんど話せてない
とりあえず水でも飲もうとキッチンへ向かおうとすると、何やらいい匂いが漂ってきた
拓海
拓海
梨里杏
梨里杏
拓海
梨里杏
梨里杏
拓海
父親に対してその言い方はないだろうと思ったけど、娘が嫌がるなら仕方がない
俺は黙って撤退した。
最近娘は、風呂上がりでパンツ姿の俺を嫌うようになった。 母も娘の味方で、
陽子
と、俺に説教する
家族のために頑張ってるのに俺はいつも独りだ
拓海
家にいても肩身が狭いだけ
午後からは休日出勤でもして、帰りにビールの一杯くらいでも飲んでこようか
俺はいったいなんのために頑張っているのだろう....
などぼんやり考えていると娘が部屋に飛び込んできた
梨里杏
拓海
梨里杏
ん?レストランだと? そんな話は聞いてない
拓海
梨里杏
拓海
梨里杏
拓海
娘があまりにも強引にまとわりついてくるので、俺は仕方なく起きることにした。
梨里杏
拓海
突き放したと思ったら次は甘えてくるのかよ
抱っこすると娘は両眼を覆ってきた。
拓海
梨里杏
拓海
梨里杏
拓海
梨里杏
目を開けるとそこには大きなオムライスがあった
その隣には下手くそな字で書かれた看板がある
パパのためのレストラン
拓海
陽子
梨里杏
拓海
陽子
梨里杏
拓海
そのオムライスは、卵は破れてるし、具ははみ出てるし.... まるで破れた餃子みたいだった
下手くそだけど、一生懸命作ってくれだんだろうな
.....本当バカなことしやがって......
一人で勝手に拗ねていた自分が情けない
バカはおれだ...。
梨里杏
涙がこぼれないように、俺は超高速でオムライスをかきこんだ
拓海
梨里杏
陽子
大丈夫..... 大丈夫だ!
俺はまだ頑張れる!
拓海