先輩術師
優秀な後輩ができたみたいで嬉しいですよ

伏黒恵
一緒に任務に行ったのか?

先輩術師
ええ、すごいですよ。術師になって間もないとは思えないくらいです

先輩術師
それに、お兄さんと同じ術式持ちですよ

伏黒恵
そうか?どれどれ、ちょっと見せてみろ

伏黒瑞葵
良いよ 玉犬白、黒

伏黒恵
おっ、本当に同じ術式だな。

伏黒恵
しかも、かなり安定して使えるじゃないか。すごいじゃないか

伏黒瑞葵
(*´σー`)エヘヘ

先輩術師
おい、もしかして彼女とかいるの?

先輩術師
こんな可愛いんだから、モテるだろ

伏黒瑞葵
俺?俺はいませんよ

先輩術師
えっ、いないの?こんなのが世の中に存在するなんて信じられないな

先輩術師
もしかして、理想が高すぎるとか?

伏黒瑞葵
いやそんなことないですよ

伏黒恵
お前、もしかして男が好きなのか?

伏黒瑞葵
兄さん何いってんの?そんなわけないじゃん

伏黒恵
冗談だよ。それにしても、なんで恋人がいないんだ?

伏黒恵
お前くらいならすぐにできるだろ?

伏黒瑞葵
要らないよ

先輩術師
おやおや、理想が高すぎて誰も付き合ってくれないってわけか。残念だなぁ…

伏黒瑞葵
ちょっと先輩そんなことないですってば

伏黒恵
おい、でも女の子に興味ないってことは、本当に男が好きかもしれないぞ?

伏黒瑞葵
そんなんじゃないって

伏黒恵
じゃあ、なんで恋人が必要ないんだ?お前くらいの年になると、みんな恋愛したいって思うんじゃないのか?

伏黒瑞葵
俺は恋愛より兄さんみたいな呪術師になるんだから

瑞葵の言葉に一瞬戸惑ったような顔をした後、クスッと笑いながら頭を撫でる
伏黒恵
そうか、偉いな。じゃあなおさら恋愛は二の次だな

伏黒瑞葵
そうだよ

先輩術師
そう言えば恵は恋愛してるのか?

伏黒恵
いや、してないです

先輩術師
えっ、なんで?この程度なら、すぐにいい人見つかりそうなのに。もしかして、理想が高すぎるとか?

伏黒瑞葵
俺と同じとか

瑞葵が冗談交じりの声で言うと、一瞬呆気にとられたような顔をしてから、すぐに笑いながら答える
伏黒恵
ハハ、そうだな。お前みたいに可愛いくて強いやつなら、まぁ悪くないかもな

伏黒瑞葵
なっ兄さん可愛いって言うなよ

伏黒恵
可愛いのは事実だろ?それに、うちの任務帰りに甘えん坊になるよの直せよ

伏黒瑞葵
~~~ッ//もう

瑞葵が恥ずかしがると、恵は面白そうに笑いながらさらにからかう
伏黒恵
なんだよ~図星か?お前、いつも任務終わると俺にべったりくっついてたじゃん

伏黒瑞葵
ッ//

瑞葵の反応を楽しんでいるような笑みを浮かべながら、恵は瑞葵の頭を撫でる
伏黒恵
それとも、他の人に甘えたいのか?

伏黒瑞葵
甘えないよ

伏黒恵
本当か?さっきまであんなに可愛いかったのに、急に強がるな

伏黒瑞葵
~ッ//

伏黒恵
なんだよ怒ったのか?

先輩術師
おい、伏黒。弟が嫉妬しちゃうぞ。もうちょっと控えめにしろよ

先輩術師の話を聞いて瑞葵を見ると、瑞葵は顔を真っ赤にして俯いている。恵はそんな瑞葵が可愛いくてニヤッと笑う
伏黒恵
あー、おれからは弟の前でいちゃつくとは控えないとな

伏黒瑞葵
もう兄さん

伏黒恵
拗ねるなよ。全部冗談だからな

先輩術師
おい、でもお前マジで恋愛しないのか?このままじゃ、後で前のこと好きだった女の子たちに刺されるぞ

伏黒恵
ハ、俺が誰かを傷つけるわけないだろ

伏黒恵
それに、今はこいつの面倒見るので忙しいんでな

伏黒瑞葵
子供扱いすんな

伏黒恵
子供だろ、まだ

伏黒瑞葵
んむぅ

伏黒恵
これじゃ、いつになったら大人扱いしてもらえるんだろか

伏黒恵
わかったよ、わかった。じゃあ、お前が大きくなったら俺と何がしたいんだ?

伏黒瑞葵
兄さんと一緒に任務行くんだぁ

伏黒恵
へぇ、俺の助けなしで?

伏黒瑞葵
うん

伏黒恵
それは駄目だな。お前は俺が守らないといけないんだ

伏黒瑞葵
んむぅ

瑞葵と恵のやり取りを見ていた先輩術師がくすくす笑いながら言う
先輩術師
伏黒、お前本当に弟のことが好きなんだな

伏黒恵
当たり前ですよ。家族なんですからね

伏黒恵
お前は俺以外の人にこんな風に甘えないでくれよ

伏黒瑞葵
俺は兄さん以外には甘えないよ

伏黒恵
そう?じゃあ兄さんはお前にだけ優しく接しないとな

その時せんよ術師ご恵の肩をポンポンと叩きながらいう
先輩術師
おい、でもお前は恋愛しろよ。女の子とデートしろってお前このと好きだった女の子たちが、お前の弟ばっかり構っているのを見て嫉妬してるぞ

伏黒恵
俺にどうしろっていうんです。それに俺が誰かと付き合えば、もっと面倒になるじゃないですか?

先輩術師
まぁお前の性格上、簡単じゃないだろうな…それに面倒になるのは確定だ。

先輩術師
でも、だからって一生独身を貫く訳にも行かないだろ。適当に1人捕まえて結婚しろよ

伏黒恵
はぁ…結婚か..まだ考えたこともないですね

先輩術師
おい、マジで考えてやれよ。お前、このまま行ったら四捨五入して30歳になるぞ。

先輩術師
それでもまだ結婚してなかったら、日本中の女がお前のこと男色家だって指差すぞ

伏黒恵
お前、兄ちゃんがそんな風に言われたら悲しいよな?

伏黒瑞葵
悲しいよ

伏黒恵
聞いたでしょ?俺の弟が悲しむのでできません

先輩術師
ぷはは!おい、ばか野郎。お前マジでそれ理由にするのかよ?

伏黒恵
はい。俺は弟のためならなんでもします

先輩術師
ちっ、マジで...こんな兄貴どこで拾ってきたんだよ。羨ましい野郎…

先輩術師
おい、坊や。兄ちゃんだけじゃなくって、俺にも優しくしてくれよ~

伏黒瑞葵
はーい

先輩術師
伏黒のやつ、めったに笑わないだろ?お前の前では笑うけど。

先輩術師
お前が大きくなったら、あの顔にもう一回あの笑顔引き出してみろよ!

伏黒瑞葵
兄さんは俺の前だけで笑うの

先輩術師
そうだな、お前は特権階級だからな。存分に利用しないとな!

先輩術師
伏黒、弟の前だからってカッコつけてんのか?普段はあんなにデレデレしてるくせに

伏黒恵
デレデレなんてしてません!ただ弟が寂しがり屋なだけです!

先輩術師
おー、認めるってことは、ちょっとは、認める余地があるってことか?

伏黒恵
はぁ…先輩、からかうのやめて、さっさと任務行ってくださいよ

先輩術師
おいおい、わかったよ。任務行ってくるわ。坊や、兄ちゃんの面倒見てやれよ

先輩術師
今度の会議の日程、忘れてないよな?

伏黒恵
分かってます。忘れてません

先輩術師
よし、じゃあ頼むぞ。忘れたら俺がお前の弟に会いに行くからな、分かったか?

伏黒恵
脅迫ですか?

先輩術師
いや、ただの保険だよ。お前がしっかりしてるのは知ってるけど、万が一ってこともあるだろ?

先輩術師
じゃあな、坊や!また今度会おう!
