ポ ツ ッ
ポ ツ ッ
突然降り出した雨に 私は急いで傘をさした
校門を出た時は少し曇っていた だけなのに
そう言って君は 右に自転車を支えて入った
お互い少しでも相手を傘の中に 入れようと
肩の距離が縮まった
走ってきたのだろう 君は少し息を切らしていた
しばらくの沈黙が 傘の中に留まった
やがて君の息が静かになって 落ち着いてきた時
少し緊張しているのだろうか また沈黙が…
やがて君は遠くを見たまま言った
君はまた息を吸って 自転車を漕いで行ってしまった
いつもみたいに右手を振って
私はそのうしろ姿を見送った
君に言われた事が 消化不良の日みたいに残っていて
靴に大きな水玉ができるのも 肩が濃く染まるのも気にせずに
友達に声をかけられ我に返った
どのくらい経ったのだろう 雨はとっくに上がっていた
通り雨だったのだろう
空はまるで喜びを表しているように 明るく輝いていた
まるでなにか吹っ切れたように
その空と対照的に 私の心は晴れてはいなかった
雨は降っていないし 曇ってもいない
よく分からない感情を ただグルグルと回してみたが
君の言葉はまだ残っていた
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