あれから10年が経った
私は大人になり、地元を離れ、仕事をしている
夏季休暇、私は地元に帰って来ていた
そして向かう場所は"あそこ"
あの、海だ
紬
…
紬
この潮風、
紬
懐かしいな
でも、私はあの日のことを、
大切なあの人のことを忘れたことはない
紬
…
紬
…かなた
紬
私、大人になったんだよ
紬
結局、かなたのことは、誰も信じてくれなかった
紬
どれだけ話しても、うったえても、聞いてもくれなかったの
紬
でも、でも、もういいの
紬
あなたは私の中で永遠に生き続けている
紬
あなたとの記憶がある、名前を覚えている、
紬
それだけで、十分、だから
紬
ねぇ
紬
かなた…
?
…ぎ
紬
…え
?
つむぎ、
紬
…!
かなた
つむぎ
紬
かなた…!
紬
っ…
かなた
ずっと、みてたよ
かなた
でも、僕がいなくても、生きれたんだね
かなた
安心したよ
紬
っ…
紬
…かなた
そして私は走って海に入って、
奏に抱きついた
紬
かなた、かなた泣
かなた
もー、いい大人が泣かないの!
紬
だって、だって…
かなた
よしよし
紬
…
つむぎ
愛してるよ、かなた
かなた
…!
紬
愛してるわ、今でも、ずっと
かなた
…僕も
かなた
愛してるよ、紬
これからもずっと隣にいるよ
この海で待ってるから
また会いに来てね
かなた
…大好きだよ