※注意※
こちらはすまないスクールの二次創作です。キャラクターを掴み切れていないことによる解釈違いが起こる可能性があります。
※前回に続きホラーテイストとなっておりますが、今回も流血表現、暴力表現が含まれます。ホラー、グロテスクが得意な方のみ進むことをお勧めします。
キャラクターの顔はスキンからのイメージで描かせていただいております。今回でこのシリーズは最終回となりますが、例の如く長いので、じっくり楽しみたい方向けです。
それでも良いという方は、このままお進みくださいませ。
ヒュー……ヒュー……
息が苦しい。自分は一体どうなったのだろう。
目を動かす。暗くて何も見えない。手は指先を少し動かせる程度。足は……もはや感覚すら失くなった。
徐々に体温が奪われていくのが分かる。脳裏に浮かんだのは共にここへ訪れた3人のこと。怪物に襲われて散り散りになってしまったが…まあ奴らならなんとかなるだろう。
助けはまだ来ない。まあ来なかったとしてもそれはそれでどうにかなるだろう。自然回復を待つか、このまま死んで自室で"リスポーン"するか。 流石に今回は部下にも小言を言われてしまうだろうが、どうということはない。
なにせ自分は最も運の良い男。この程度では死なないのだ。そう思いたいのに何故だ、無様に助けてと縋りつきそうになる。
……とても寒い。
???
真っ暗闇の中、不意に誰かが立っているのが見えた。見覚えのある赤色。死に際に幻覚とは笑えてくるな。
???
幻覚が好き勝手にほざいてくれるな。この程度休めばすぐ、いや、そもそもどうしてお前が、ここに
ゴボッ。息が苦しい。
???
うるさい。幻覚如きに何ができる。だってお前は…
目が焼けるように熱い。言いようのない感情が胸を締め付ける。
???
???
???
???
???
意識が遠のく中、頑張ったな、という声が微かに聞こえた。
凄まじい破裂音が響く。それは絶え間なく続いたかと思えば止まり、そしてまた鳴り響く。
これだけの音が響いていたら、確実に外は怪物で埋め尽くされているだろう。そしていずれここも見つかるだろうが、その時は───
ツルハシを掴む手に力を込める。捻った足はまだ痛いが、気を引く程度なら多分いける。
捕まればただではすまないことはもうわかっている。けれど、身を挺して庇ってくれた友人が嬲られるくらいなら……。
………───、────!
誰かの叫び声、と共に足音が聞こえる。怪物の重々しい音ではない。人の足音?兄貴が戻ってきたのか?だが入ってこようとせず、壁を叩いて何かを叫んでいる。
声の主はおそらく2人。壁越しで何を言っているのかわからないが、耳をすませば馴染みのある声だとわかった。けど返事をしても大丈夫なのか?不安と恐怖で喉が震えて声が出せない。
シャキンッ!
ほんの少しの静寂を裂くような一閃、と共に崩れる扉部分。脆くなった石を無理やり繋げて作ったそれはあっさり瓦礫と化した。 そして、その瓦礫を超えて現れたのは…
すまない先生
すまない先生
ミスターブルー
ミスターブラック
ミスターブラック
ミスターブルー
ミスターブルー
すまない先生
ミスターブラック
ミスターブラックが懐から取り出したポーションを、銀さんの口に流し込む。血の気を失った顔色が少しだけ良くなったように見える。
ミスターブラック
ミスターブルー
すまない先生
ミスターブルー
すまない先生
ミスターブルー
ミスターブラックがポータルガンで道を開け、ミスター銀さんを運ぶ。俺も足を負傷しているため、すまない先生に抱えられながらポータルに向かう。
ミスターブラック
ズドォオオオオオン!!!
ブラックの言葉は最後まで続かなかった。代わりに嫌というほどに聞いた衝撃音。と共に暗転する視界。
すまない先生
ミスターブルー
先程の衝撃で吹き飛ばされかけたが、すまない先生が咄嗟に庇ってくれたおかげで俺にダメージはなかった。
早く脱出しないと、そう思って繋がれたポータルを探す……が、見つからない。ポータルが消えている!ミスターブラックの姿も見えない。
目を凝らすと、ブラックがいた場所には壊れたポータルガンが落ちている。衝撃をもろに受けたのか、ブラックは吹き飛ばされポータルはそのまま破壊されたのだろう。
それよりも、あの衝撃と、この明暗は、
グルァァァアアアア"ア"ア"!!!!
ミスターブルー
壊れた扉から覗いていたのは、あいつだった。
血を浴びて赤く染まった怪物が、人1人分の穴をこじ開けてこちらへ向かってくる。
目のない顔を俺の方に向けて、巨大な腕を振り上げる。
そして………血で染まったその腕を───
すまない先生
一閃の煌めき。
俺の頭を粉砕しようと振り下ろされた拳が、剣によって弾き飛ばされた。
グォオオオ………!
すまない先生
すまない先生
剣を構えた先生が、憤怒の眼差しで怪物を睨みつける。もう片方の手を先生に目掛けて振りかざす怪物。
シャキンッ!
わずかな静寂を破ったのは怪物のうめき声。
先生の剣によって怪物は、真っ二つになって崩れ落ちた。
すまない先生
額の汗を拭う仕草をしながら、すまない先生は剣を振るい体液を落とす。巨大な怪物の残骸は地面に吸い込まれるように消えていった。
ミスターブルー
すまない先生
ミスターバナナ
すまない先生
ミスターバナナ
すまない先生
ミスターバナナ
すまない先生
バタッ……
すまない先生
1ヶ月後
ミスターブルー
ミスターブルー
ミスターレッド
両足付いてんだろと笑う兄貴に、つられて俺も吹き出す。
俺たちはすまない先生やミスターブラック達により無事救出され、怪我の治療を受けた。
捻っただけと思っていた俺の足は脱臼しており、爪先にはヒビが入っていたらしい。まじかよ…と思わずぼやいてしまった。 兄貴には幸い大きな怪我はなく、擦り傷や打撲程度で済んでいた。
ミスター銀さん
ミスターマネー
ミスターレッド
俺と兄貴は命に関わるほどの怪我ではなかったが、ミスター銀さんとミスターマネーは瀕死の状態だった。ミスターブラックが開発したポーションと生命維持装置がなければ本当に手遅れになるところだった。
強力なポーションを服用させたことにより、2人は副作用で一週間ほど昏睡状態に陥っていた。目が覚めた時には当時のことをほとんど覚えていないようだったが、いつもと変わりない笑顔を向けてくれていた。
ミスターブルー
ミスターレッド
怪我が治った後、俺たちはすまない先生にこっ酷く叱られた。凄まじい剣幕で怒鳴られたとかではないが、誰も何も言い返せないくらいの威圧感を放っていた。
4人揃ってたっぷり説教されて、それで、よく頑張ったなと頭を撫でられた。
泣いた。それはもうダムが決壊したような勢いで、ぼろぼろ涙を流した。兄貴も隣で涙を拭っていた。
マネーは顔が見えなかったが、ブラックにハンカチを差し出されたときに「目にダイヤが刺さっただけだ!」と返し、それに対して勢いよく「大惨事じゃねーか‼︎」と涙濡れの顔で突っ込んだ銀さんにその場の全員が笑っていた。
だが…怪我が治ったからと言ってすぐに日常に戻れるわけではなかった。
俺は暗闇が怖くなった。先の見えない洞窟を覗くと震えが止まらなくなるし、夜も明かりがないとパニックを起こすほどだった。
暗闇だけじゃない、赤い液体──潰れたトマトや苺のソースを見た時吐き気が止まらなくなり、赤い果実類すら口にできなくなった。あの赤色が怪物に粉砕される2人を鮮明に思い出させてくる。
兄貴は俺たちの前では平然としているが、連日眠れず明かりを見てぼんやりしている。濃くなった隈をコンシーラーで誤魔化しているのを知っている。
銀さんやマネーも同じだった。記憶がなくともあの時の恐怖は深く刻まれている。2人ともあの苔のような気味悪いブロックの写真を見て青ざめていた。 俺たち4人とも、今はカウンセリングのお世話になっている。
問題は俺たちのフラッシュバックだけではなかった。どこから嗅ぎつけたのか、あちこちから取材班がスクールに殺到した。 あの危険な古代都市からの唯一の生存者という情報は、連中からしたら喉から手が出るほどのものだろう。
それでも話のわかる人たちならまだ良い。だが強引に話を聞き出そうとスクールに押し入ったり待ち伏せしたりする者、果てに俺たちの手を引いて連れ込もうとした連中までいた。
騒ぎに気づいたすまない先生が駆けつけてくれたが、そのせいで俺たちはパニックを起こし、その日は授業どころではなくなった。
それでも尚懲りないマスコミに対しついにブチギレたミスター赤ちゃんや先生が、「そんなに話が聞きてえなら俺たちを倒してからにしろ!」と大量のアイアンゴーレムを召喚したりすまないすまないと大暴れした。 これは流石に止めたが、それが効いたのか今はだいぶ落ち着いている。
懐からあるものを取り出す。あの日ミスターマネーからもらった鉱石だ。加工してペンダントになっているそれを日にかざすと、綺麗な青緑色に輝いた。
隣で兄貴も同じようにペンダントを取り出している。こちらも負けじと煌めいているが、小型のライトで照らされたそれは鮮やかな赤紫だ。
ある日兄貴が眠れずにリビングで夜を越したことがあった。その時につけていた蝋燭でこの鉱石を照らしたところ、昼間は青緑だったのが赤紫色に変わっていたらしい。
調べた所、その鉱石はアレクサンドライトと言って光によって色を変えるらしい。その話を聞かせた所、2人にぴったりだと皆笑っていた。
そんなことを思い返していると、不意に兄貴が話しかけてきた。
ミスターレッド
ミスターブルー
ミスターレッド
ミスターブルー
ミスターマネー
ミスター銀さん
ミスターマネー
ミスター銀さん
いつも通り喧嘩をする俺たちに、ミスター銀さんとミスターマネーは顔を見合わせて肩をすくめる。この光景前にもあったな、と言い合いをしながら胸の内で呟く。
喧嘩を横目に銀さんはペンダントをかざしている。俺たちとは違う鉱石がはめられているそれはあの日もらった時よりも小さい。割れちゃったもんな、それ。
マネーも銀さんと一緒に宝石を眺めているが、それはペンダントではなくブレスレットになっている。マネーの分は割れて粉々になってしまったらしい。欠片を細工して作ったそれは俺たちのものより華やかだ。
色鮮やかな山が入ったような水晶と、飴色に輝く琥珀。どちらの石も2人によく似合っている。売ればそれなりの値段になるだろうが、誰も売る気はなく、皆鉱石をお守り代わりに持ち歩いているらしい。
ミスターブルー
ミスターレッド
ミスターブルー
ミスターレッド
ミスターブルー
ミスター銀さん
ミスター銀さんの言葉にはっとして時計を見ると、後数分で昼休みが終わる頃だった。
ミスターブルー
ミスターレッド
ミスター銀さん
ミスターブルー
ミスターレッド
ミスター赤ちゃん
ミスター銀さん
ミスターマネー
ミスターバナナ
ミスターマネー
ミスター銀さん
ミスターブラック
ミスター赤ちゃん
ミスター銀さん
ドーーーーーン!!!
すまない先生
レッド・ブルー
ミスター赤ちゃん
ミスターブラック
すまない先生
すまない先生
ミスターブルー
ミスターレッド
すまない先生
すまない先生に吹っ飛ばされた俺と兄貴は、クラスメイトの笑い声を浴びながら自分の席につく。
あの時は本当に怖いことばかりだったし、未だに夢に見てはうなされている。それでもこうして俺たちは生きて、また日常へと戻りつつある。
そして今日も、愉快な日常の続きを。
すまない先生
起立!気をつけ!
すまない‼︎
コメント
31件
マジで緊張した…また、こういうストーリー出して欲しいです!!
す、すごい、、、めっちゃ好きになりました!!!!!とても良い作品ですね!!気に入りました!!!!!