(注意書きは前々々回 (?)と同じく!)
学校が終わり——。
狼樹 真流
俺は病室のドアをガラガラと開けた。
中には、先に来ていた月岡明見の姿。
カーテン越しに虎井百合と会話をしているようだった。
月岡明見
虎井百合
虎井百合
狼樹 真流
狼樹 真流
俺は声を掛けると、彼女はこちらに気づいて振り返る。
月岡明見
狼樹 真流
狼樹 真流
狼樹 真流
ぺいんと
ぺいんとは真剣な表情で、2人に近づいていく。
虎井百合
虎井百合
虎井百合
月岡明見
月岡明見
月岡明見
月岡明見
そう言って、彼女は淡々と言葉を並べた。
ぺいんとが虎井百合に少し好意を抱いているような、
そんなニュアンスの言葉を次々と。
勿論全くの嘘であり、これらは全て俺が仕組んだものである。
彼女——虎井百合が、
少しでも喜びを、幸せを感じる為に。
病の進行を、少しでも遅らせる為に。
虎井百合
虎井百合
月岡明見
ぺいんと
ぺいんと
ぺいんと
ぺいんと
俺も本当に嘘なのか疑ってしまうほどの演技。
演技など何も知らない彼女は、
どこか恥ずかしそうな声で言う。
虎井百合
虎井百合
彼女はカーテンに手をかけると、腕を横にしてずらした。
目を引くのは、天使病の最大の特徴とも言える、美しい翼。
なんと言い表せばいいか……
とにかく、人智を超えた美しさだった。
ぺいんと
隣で、ぺいんともその様子に驚いているよう。
虎井百合
虎井百合
虎井百合
虎井百合
虎井百合
ちょっぴり笑みを見せる彼女。
しかし、その瞳には苦痛の色が浮かんでいる。
ぺいんと
虎井百合
彼女は喜んでいるように見えるが、
急激に容態が変わったりする訳ではなさそうだ。
まぁ、致死率100%の奇病だ。
そう簡単に治るはずないことは分かりきっていたが……。
と、突然ぺいんとは虎井百合の腕を掴んだ。
虎井百合
ぺいんと
ぺいんと
虎井百合
ぺいんと
虎井百合
虎井百合
彼女が笑顔でそう言うと、ぺいんとはホッとしたような表情になる。
演技派だ……。
ぺいんと
虎井百合
ぺいんと
ぺいんと
狼樹 真流
狼樹 真流
ぺいんと
ぺいんと
ぺいんと
ぺいんと
狼樹 真流
狼樹 真流
ぺいんと
狼樹 真流
狼樹 真流
ぺいんと
狼樹 真流
狼樹 真流
狼樹 真流
狼樹 真流
なんて、曖昧な質問が口からポロっと溢れる。
なんでこんな事を口にしたのか、自分でも分からない。
ぺいんと
ぺいんと
狼樹 真流
ぺいんと
ぺいんと
ぺいんと
ぺいんと
狼樹 真流
ぺいんと
なんとなく、気まずい空気。
狼樹 真流
ちょうど分かれ道が来たところで、俺はホッとする。
ぺいんと
ぺいんと
手を振ると、また彼も振り返した。
それからというもの、
あくる日もあくる日も、俺とぺいんとは毎日虎井百合の見舞いへ行った。
彼女に変化が見られたのは、通い始めて約1週間後のこと。
月岡明見から、少し痛みが収まったらしいと連絡をもらう。
それからは、俺はお見舞いへ行くのをやめた。
今は、月岡さんでさえ2日に1回しか行ってないそうだ。
毎日行き続けているのは、ぺいんとただ1人。
一瞬、もしかしてぺいんと——
なんてことも頭によぎったが、
「恋はもうしないんだ」というあの日の言葉を思い出して、
俺はその考えをしまう。
それから、延命に延命を重ね、
虎井百合が倒れたあの日から、
3ヶ月が経っていた——。
コメント
4件
すごい(n回目) ほんとに延命してんのか…
すげぇ、マジで遅くなってるじゃん。(正直疑ってたwww) 今回も神作(-д☆)キラッ次回待ってます‼