医者が言うには、生まれつき心臓が弱く、そのせいで死んだのだという……
なにせ、私たち兄は2歳差で兄が死んだのは2歳……私はその頃0歳だったのだ……
亜美
おはよー!
結衣
おはよー!今年から、高校生活!楽しみだね!
亜美
うん!
先生
1年B組の担任となった、潮田と言います。今年から、1年間よろしくお願いします!
結衣
相田結衣です。中学の頃はバスケ部に所属していました。これから、同じクラスとして1年間よろしくお願いします。
他のクラス
キャーーー!
他のクラス
めっちゃかっこよくない?!
他のクラス
やばーい!
亜美
なんか、上の階騒がしいね
結衣
3年生の教室からかな?どうしたんだろう?
寛太
行ってみようぜ!
亜美
そうだね!行くよ、結衣!
結衣
あ、うん!
隼人
今日からこの3年A組に編入します。前崎隼人と言います。よろしくお願いします。
亜美
うわぁ……イケメンだね
結衣
う、うん
結衣
(あ、お兄ちゃんと同じ名前……)
結衣
(もう一度お兄ちゃんに会いたい……)
こんなに昔のことなのに、顔も覚えていないのに……兄妹って凄い……
亜美
え、結衣?どうしたの?
結衣
あ、いや、なんでもない
亜美は、心配性の所があって、このことを話すと、なんとなく、心配されそうで避けて来た
結衣
(こんなことで亜美に心配かけたらダメだ!今は、新しい友達がいるんだし、頑張らなくちゃ!)
小学校にあがって初めて、兄がいた事を教えて貰った……
私は、その事を聞いた時、なんだか自分の事のように感じられなかった……
結衣
わぁぁ!海、綺麗だね!
母
そうだね!
父
綺麗だな…
結衣
ねぇ、お兄ちゃん!
母
え?お兄ちゃん?
父
結衣、何言ってるんだ?お前の、兄は……
隼人
あぁ、めっちゃ綺麗……
母、父
『え?』
隼人
ん?どうしたの?お母さん、お父さん
結衣
パパ、ママ、どうしたの?
母
あなた、誰?
隼人
え、俺?!隼人だよ!息子の顔も忘れたのかよ!(笑)
母
だって……隼人は……
父
隼人は、9年前に死んだじゃないか!
隼人
……
結衣
え?
でも、その顔が兄の顔じゃないことは、しっかりわかっている。なぜなら、兄が死んだのは2歳……夢ででてきた兄は5年生……
結衣
(でもそれが、兄のように思えてくる……)
先生
えー、、今日は、部活勧誘の日です。皆さん、自分の好きな部活に入り、心と体を鍛えるように!
クラス
はーい!
亜美
結衣は、バスケ入るの?
結衣
いや、今年は男子バスケ部のマネージャーになるんだ!亜美は、どうするの?
亜美
うーん、うちは、美術部かな……
亜美
でも、なんでマネージャー?部員じゃなくて……
結衣
あー、ホントは部員が良かったんだけど、勧誘されて、以外に良さそうだったからさ
亜美
ふーん、まぁ結衣がいいならいいけどね
亜美
じゃあ、申込書出してくるから、先帰ってていいよ!
結衣
うん!またね!
亜美
✌️
隼人
あれ、相田さんだっけ?
結衣
あ、前崎先輩!こんにちは。
隼人
おう!今帰り?
結衣
あ、はい。
隼人
良かった!一緒に帰ろうよ!ね?
結衣
はい。
隼人
へぇ〜、相田さんって兄妹いたんだ!
結衣
そうなんですよ。もう、死んじゃいましたけど……
隼人
え……なんか、ごめん……
結衣
良いですよ!もう、15年前の話ですし!
隼人
…………そっか……ありがとね
結衣
いえ……
隼人
じゃあ、俺はこっちだから
結衣
はい!また明日、学校で!
隼人
おう!またな!
隼人
おはよー!相田さん!
結衣
あ、先輩!おはようございます!
隼人
てか、昨日友達から聞いたんだけど、男子バスケのマネージャーになるんだって?
結衣
あ、はい!
隼人
俺実は、バスケ部なんだよね
結衣
そうなんですか?!
隼人
これから、よろしくな!
結衣
はい!こちらこそ!
この時から、私は、先輩のことが気になりかけていた……
隼人
今日から、男子バスケ部の主将になります!前崎隼人です!よろしくお願いします!
結衣
今日から、男子バスケ部のマネージャーになります!相田結衣です!よろしくお願いします!
結衣
先輩!お疲れ様でした!
隼人
おう!相田さんもお疲れ!今日は助かったよ!ありがとう!
結衣
えへへ(´>∀<`)ゝ))
亜美
結衣〜部活どうたった?
結衣
楽しかったよ!先輩達も他の子達もすごく優しかった!
亜美
あ、そういえば!前崎さんってバスケ部なんでしょ?いいなぁ!いつも近くでバスケやってる所見れて(ノ´▽`)ノ♪
結衣
あはは😃亜美、先輩のこと好きなの?( ̄+ー ̄)
亜美
もちろん!女子から人気NO.1じゃん!
結衣
へぇ〜そうなんだ!
結衣
(先輩、カッコイイし優しいしそれはモテるよなぁ……こんな私が好きになっていいのかな……)
亜美
結衣ももしかして狙ってる?!
結衣
そんな!狙ってないよ!( ´•д•` )💦
亜美
そっか!それなら、いいけど(笑)
亜美
(結衣って純粋だなぁ(ノ´▽`)ノ♪)
結衣
じゃあ、またね!
亜美
うん!またあした!
【080-××××-○○○○さんからの、メールです】
結衣
あれ、誰だろう?
隼人
夜遅くにごめんね!隼人だけど、他の子からメアド聞いて追加しました!勝手にごめんなさいm(_ _)m良かったら、追加してね!
結衣
こんばんは!追加しました!だけど、いきなりでほんとビックリしました!٩(๑><๑)これから、よろしくお願いします!
隼人
お!はやいね!こっちこそ、よろしく!
結衣
じゃあ、おやすみなさい!
隼人
うん!また明日!
私は、内心ドキドキと嬉しさが入り交じった感情だった
それを紛らわすために私は、夫婦円満で暮らしている実家に久しぶりに電話をかけてみることにした
結衣
不在着信
結衣
不在着信
結衣
(おかしいなぁ……)
母
不在着信
結衣
(あ、お母さんからだ)
母
「もしもし?、結衣?」
結衣
お母さん!久しぶり!
母
う、うん。ひ、久しぶりね
結衣
どうしたの?
母
なんでもないわよ
結衣
そう?ならいいんだけど……
母
どうしたの?急に電話してきて
結衣
いや、一人暮らしになってから、ずっと会ってなかったから……元気かなって思っただけだよ
母
そういうことね、なら心配ないわよ!あなたこそ、体に気をつけてね!
結衣
うん!ありがと!じゃあ、おやすみ〜
母
うん、おやすみ
亜美
おはよー!
結衣
うん、おはょぉ〜
亜美
どうしたの?眠そうだけど……
結衣
あ、あ〜、大丈夫だよ!気にしないでぇ〜
亜美
そう?
結衣
うん!
亜美
それなら良いけど……
結衣
ありがとね!心配してくれて
亜美
ううん!親友だもん、
結衣
(「親友」………)
亜美
あ、そうだ!昨日のニュース見た?
結衣
え?昨日は特に……
亜美
なんかね、ここの近くで殺人事件が多発してるんだって
結衣
え〜、こわ……
亜美
だよね〜
結衣
あ、チャイム!
亜美
次、体育だ!急ご!!!
結衣
う、うん!
先生
おーい!相田、佐藤!(※佐藤は亜美の苗字です)早くしろ!
結衣
は、はーい!
亜美
もう、うるさいなぁ……
先生
おい!佐藤、今なんつった?
亜美
あ、い、いえ〜なにも〜……
先生
……まぁ、それならいいが
結衣
亜美、気をつけなよw
亜美
う、うんw
先生
えー、今日からバスケをやります!
クラス
はーい
先生
えっと、ルールは簡単に……………………
先生
えー最後に、特別ゲストの方を呼んでいます。この方です!
結衣
え?!
クラス
「ううぉーー!すげー!」
先生
じゃあ、自己紹介をお願いします
隼人
え〜、前崎隼人3年A組
隼人
今年から桜田高等学校の男子バスケ部主将をやってます。よろしくお願いします
先生
はい!ありがとう!ということで、今回は特別に前崎くんの教えを元に練習していこうと思います
亜美
やったー!
結衣
(や、やったー!)
亜美
結衣、良かったね!
結衣
え……?
亜美
あ、いや、なんでもない!笑😃
先生
みんな、ちゃんと話を聞くように!
クラス
はーい!
隼人
えっと、じゃあ、今日は基礎練と簡単な試合だけやってみるね
亜美
まじで、カッコイイよね!
結衣
(ほんと、カッコイイなぁ……)
亜美
結衣?
結衣
え?あ、ごめん!
亜美
大丈夫?ぼーっとしてたみたいだけど
結衣
ううん、大丈夫だよ!
亜美
そう?
結衣
うん!
隼人
えっと、この中にバスケ経験者いる?
寛太
はーい
結衣
はい……
隼人
じゃあ、そこの2人!えっと、相田さんと……えっと……
寛太
神崎です(苦笑)
隼人
ごめんね!えっと、相田さんと神崎くん!まえへ出てもらえるかな?
結衣
はい
寛太
はーい
隼人
じゃあパスの仕方からやって行くよ!
隼人
神崎くん、相田さん、チェストパスから順にお願いしてもいいかな?
寛太
はい!
結衣
わかりました!
隼人
相田さんと神崎くん、ありがとう!じゃあ、最後に、今日習った基礎を元にミニゲームをしてみよう!
クラス
いぇーい!!!
隼人
えっとチームは、相田さん、○○さん、……さん、……さん、そこに僕が入って5人
隼人
残りの5人でチームを組んで、ミニゲームスタートです!
亜美
結衣!敵同士だけど頑張ろ!
結衣
うん!
先生
終了!
クラス
ありがとうございました!
隼人
52対73か!みんな、強いね!
亜美
負けちゃった……えへへっ!今度は絶対勝つからね!
結衣
うん!
結衣
はぁ……疲れたな
隼人
相田さん!今日はありがとう!助かったよ!
結衣
いえいえ!すごく楽しかったです!
15年経った今でも兄のことは忘れられない大切な存在……
結衣
あっ……
今日は久しぶりに両親に会うんだから、気入れなくちゃ!
結衣
よし……!
母
結衣……、久しぶり
結衣
お母さん!お父さんも!久しぶりだね!
母
そうね……
父
おう……
結衣
(なんで、こんなにテンションが低いの?)
結衣
(まぁ仕方ないか……こんな場面でテンション高い方がおかしいもんね)
母
隼人が亡くなってから、もう15年も経つのね
父
あぁ……
結衣
…………
母
15年前が懐かしいわね……
父
だな……
母
結衣、私達はもう行くけど大丈夫?
結衣
うん!こっちは気にしないでね!お母さん達も、気をつけて帰ってね!
母
えぇ
父
ありがとな。じゃあ、今度はおじいちゃんのお葬式の時だな……
結衣
う、うん……
私は、12歳になった時から、体調が悪くなったおじいちゃんの看病をしていた
そのおじいちゃんが亡くなった時には、罪悪感と切なさと悲しさで胸がいっぱいになった……
結衣
お母さん、お父さん、またね。
母、父
うん!また
結衣
はぁ……やっぱり風呂は良いなぁ
結衣
あ、ニュース見よ
結衣
え………………
結衣
お、お母さん?お、お父さん?嘘でしょ?夢だよね……?
何分時間が経っただろうか……時間単位かもしれないが……
結衣
こ、ここは……?
隼人
あっ!相田さん……目覚ましたんだ……?
結衣
は、はい……
結衣
あの、前崎先輩……ここは、どこですか……?
隼人
え?あ〜、俺の家だよ
結衣
え?
隼人
相田さん。家で倒れてたから!仕方なくうちに連れてきたんだけど………あと、家に誰かいたみたいだったけど……その人に言わなくてよかったかな……?
結衣
え……?
隼人
相田さん……言うか迷ったけど。相田さんのお母さんとお父さん。事故で亡くなったらしい……
結衣
えっ……
隼人
お母さん達のご遺体がこっちに運ばれてくるまで……うちにいていいから
隼人
当分学校には来なくていいって。
隼人
潮田先生から許可もらったから。当分家で休みな……ね?
結衣
は、はい……ありがとうございます……
隼人
じゃあ、ご飯持ってくるから。ちょっと待ってて?
結衣
あ、はい。ありがとうございます。。。
私はその後、先輩の家でご飯を頂いてそのまま先輩の家に泊まった
隼人
お母さん!俺学校あるから、相田さんのことよろしくな!
母
はーい!いってらっしゃ〜い!
隼人
サンキュー!行ってきます!
結衣
先輩……行っちゃった……
母
こんにちわ……相田さん?でいいのよね。この度はご愁傷様です……
結衣
こんにちは。こちらこそ、勝手に泊まってしまい、そのうえご飯まで頂いて申し訳りません。
母
いいのよそんな事!あ、私は隼人の義母の前崎雅子って言うの……よろしくね。
結衣
あ、はい。よろしくお願いします。
隼人
ただいまー!
母
隼人!おかえりなさい!手洗って部屋いきなさいよー!
隼人
あーい!
隼人
相田さーん!
結衣
ま、前崎先輩……お疲れ様です!
隼人
大丈夫?
結衣
は、はい!おかげさまでだいぶ落ち着きました
隼人
そっか!それは良かった!
母
もうすぐご飯よー!
隼人
はーい!
隼人
相田さん!行こっか?
結衣
は、はい!
結衣
ごちそうさまでした!
母
あら、元気よくなったのね?
結衣
はい!美味しいお料理のおかげでまた元気が出ました!ありがとうございます!
母
いえいえ!喜んでもらえてこっちも嬉しいわ〜
隼人
相田さん。今後のことで話があるんだけど、ちょっと良いかな?
結衣
はい……?、いいですけど……
隼人
ちょっとこっち来て
結衣
あの、話って……?
隼人
今後のことなんだけど……
隼人
学校……辞めるの?
結衣
……今のところ、その予定は……
隼人
あのさ……!
隼人
もし良かったら、落ち着くまで学校辞めて、俺ん家にいない?
結衣
ありがとうございます
結衣
でも、家の整理や両親の遺産、遺物も整理したいので……
隼人
そう……
結衣
ごめんなさい。
隼人
ううん……相田さんが決めることだから!
結衣
は、はい。
結衣
これまでお世話になりました。
母
ほんとに行くの?
結衣
はい。祖母の家に短時間行きます……その後、遺産の整理を。
隼人
もっと、居ればいいのに……
結衣
いえ……これ以上長居するのも失礼ですし……
隼人
そんなこと……
母
隼人。相田さんが決めたなら好きにさせてあげなさい
結衣
ありがとうございます。では私はこれで。
母
気をつけてね!
隼人
(予知では、今日の午前9時か。やべぇ!もうすぐじゃん!急がなきゃ)
結衣
ありがとうございました!
お兄ちゃん、お母さん、お父さん、おじいちゃん待っててね……
結衣
ふぅぅぅぅぅ〜
隼人
相田さーん!
結衣
はっ……
結衣
せ、先輩?!
結衣
ど、どうしてここに……
隼人
相田さん……朝から様子おかしかったから……追ってきたんだ……
隼人
はぁはぁ……なにやってんの!なんで自ら自分の命を落とそうとするの!
結衣
だ、だって。
隼人
1人だっていいじゃない!俺がいる!俺がそばについてるから!そんなこと、するなよ!
結衣
…………
隼人
落ち着いた?
結衣
はい……
隼人
じゃあ、おやすみなさい……
結衣
はい。おやすみなさい。
母
相田さーん!ご飯よ〜
結衣
はーい!今行きます!
結衣
すみません!またお邪魔してしまって……
母
良いのよ!
母
あ、テレビ付けるわね
結衣
ありがとうございます
結衣
………………おばあちゃん………………
母
え?
結衣
この被害者、おばあちゃんです……
母
?!!!!
怖くも、苦しくも、虚しくも……なんとも思わなかった
結衣
(死んだんだ……)
母
相田さん!気をしっかりね!今、隼人に連絡するから!
結衣
………………
自分の中で時は止まれども、世界の時は流れていく。止まらずに………………いつまでも……ただ、ひたすら時を刻むだけだけど……
隼人
相田さん!大丈夫?!おばあさん、亡くなったって!
結衣
………………はい、大丈夫です。、
隼人
どうして?!家族が亡くなったのに!
結衣
人って怖いですね……
結衣
あることに慣れたら、感情が無くなるかのように「無」になるんです。
隼人
何言ってるの?
結衣
私、何も思わないんです……おばあちゃんが亡くなったのに……
結衣
うぅぅ……私、怖いんです……周りは私を置いて去っていく……
結衣
なのに私は……私だけは生き残って……
結衣
いつか、殺されるんじゃないかって……
結衣
怖いんです……うぅぅぅ……
隼人
相田さん……ちょっとこっち来てくれる?
結衣
ど、どうしたんですか?
隼人
結衣を心配させたらダメだよな……
結衣
え?せ、先輩?いきなりどうしたんですか?
隼人
家族が困ってるのに見捨てることは出来ない。結衣、正直に言うよ。
結衣
なんですか?
隼人
俺の本名は、相田隼人……お前の兄だ
結衣
っ?!
隼人
ごめん……信じてもらえるわけないよな……
結衣
……
隼人
俺は15年前……心臓の病気で死んだ
隼人
そして、目が覚めると。見知らぬ所にいて……なぜか、生きてる時と同じ感覚だった……その後、義母に連れられてこの事を聞いた。俺は、生まれ変わったんだと……
結衣
隼人
俺の義母も、そうだったらしい。2歳の時……意識不明の重症が起こって……いきなり息を引き取った。そして、俺と同じ場所にいてそこから1人で生きてきた。
結衣
…………1人で……
隼人
俺は、10年前……小学一年生の時こっちに引っ越してきた。
隼人
それまで、義母と一緒に記憶の整理、これからのこと、、、色々話した。
隼人
そして、お前の存在をわかった俺はすぐさま特権を使った
結衣
「特権」?
隼人
「特権」は、生まれ変わった人間が持てる、特別な権利のこと。俺の特権は、「未来予知」
結衣
未来予知……
隼人
そう。その特権でおれは、お前の未来を全て予知し記憶した……
結衣
だからあの時、私が死のうとしたことが分かったの?
隼人
そうだよ。
結衣
よく、分からないけど……また一緒に2人で暮らせるんだよね?なら、その時にでも……!
隼人
ごめん結衣……それは無理だ。
結衣
ど、どうして?
隼人
俺はもうすぐ、死ぬんだ……
結衣
そ、そんな!せっかくまた会えたのに、嫌だよ!
隼人
ごめん……人間が生まれ変わるには条件があるんだ……その1、死んだ年が2歳であること。その2、なんらかの病気で「記憶喪失」、「気絶」をしてから死ぬこと。その3、死ぬ時周りに家族がいること。
隼人
この状況を満たした時、生まれ変わりが可能になる。でも、条件を満たしてもごく稀に起こる現象なんだ。
隼人
そして、リスクがある。生まれ変わった人間は、自分が他人に生まれ変わった人間だと告げた時、3分の間に、命を落とす……
結衣
?!
結衣
お兄ちゃん……なんで私に告げたの?!なんで?!死んじゃうんだよ?どうして!
隼人
仕方なかった……こうしないとお前は死んでたんだから……
結衣
え?
隼人
お前は、家族を無くした気持ちから、この後、ホントなら自殺するんだ……
結衣
っ?!
隼人
そして、俺がそこに止めに入る。けどそれは失敗して、二人とも死ぬんだ。
結衣
そ、そんな……
隼人
だけど、俺が告げたことによりお前は助かる……
結衣
でも、お兄ちゃんが!
隼人
良いんだよ……俺は、お前のことが誰よりも大切で、大好きだから。
隼人
悔いはないよ。
結衣
私、これからどうしたらいいの……?
隼人
わからない。けど、まだ未来はあるよ。だから、自分の手で未来をきりひらけ!結衣!
結衣
お兄ちゃん!!!いや!死なないで!ひとりにしないで!
結衣
うわぁぁぁ!!!!!!
結衣
お兄ちゃん!!!!!!!
結衣
今行くよ……待っててね!お兄ちゃん…!
登場人物:前崎隼人(相田隼人) 前崎雅子、佐藤亜美、先生、神崎、 クラスの人、父母、祖父母