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「あの夏が忘れられない。」

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「あの夏が忘れられない。」

18 - 二章 第7話

♥

2,091

2025年06月04日

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生前の頃、俺はいつも白いベットに寝て、 一日中天井と向き合うだけだった。

そう、俺は病気だったんだ。

 

着替えここに置いておくね

じゃぱぱ

うん、ありがとう
お母さん

 

また明日来るからね

じゃぱぱ

また明日…

家庭には恵まれている方だった。

俺が病気にかかった時、両親は2人共嫌な顔せず 俺を支えてくれていた。

そして、俺のお兄ちゃんも。

なおきり

おはよ〜

じゃぱぱ

おはよ、なお兄

なおきり

今日はこっそりゲーム機持って来ちゃった!笑

じゃぱぱ

おぉ!笑

兄弟仲も良くて、俺が病気にさえならなければ きっと幸せな家庭だったのだろう。

じゃぱぱ

(なんか、申し訳ないな、)

と、俺はいつも感じていた。

俺が病気になったから、両親もお兄ちゃんも すごく苦労している。

でも、俺に出来ることは必死に謝ることだけ。

車椅子がないとまともに歩けない俺は 行動に移すこともできない。

ただ口に出して"ごめんなさい"と言えるだけ。

だけどあの日、俺にも救いの手が差し伸べたんだ。

じゃぱぱ

(意識がもうろうとするな、)

どんどん弱くなっていく自分の呼吸から もう長くない事を知る。

じゃぱぱ

(これでようやく、家族に迷惑をかけないで済む。)

俺は早く死にたかった。

自由のない生活は俺にとっては生き地獄だった。

 

申し上げにくいのですが、じゃぱぱくんはもう長くありません…

じゃぱぱ

そうですか、。

医師に長くないと言われても驚かなかった。

むしろようやく死ねるんだと安堵した。

ひとつ心残りがあるとするなら、学校へ 行ってみたかったなと思うくらい。

生まれてから一度も行ったことのない場所。

友達を作りたい、好きな人を作りたい、 恋人を作りたい。

そんな叶わない願いを密かに抱いては消している。

じゃぱぱ

(…一度で良いから、経験したかったな)

そして、

7月7日

俺は高校1年生の時、この世を後にした。

はずだった。

じゃぱぱ

え、ここどこ…

俺、死んだはずなのにな…。

じゃぱぱ

チラッ

自分の体を確認すると、体調も悪くなく 肌の血色も良かった。

じゃぱぱ

すご、

もしかして俺生き返った?

健康な体で、自由な事ができて_

そう思った瞬間、子供が俺を通り抜けた。

じゃぱぱ

え…

今、俺を貫通して行った?

じゃぱぱ

(…もしかして)

今度は自分から触りにいく。

でも、触れられなかった。

じゃぱぱ

(俺、死んではいるんだ、。)

ただ幽霊になっただけなんだ、。

結局、俺は学校にも行けないし、自由な訳でもなく

ずっと独りなんだ。

じゃぱぱ

その後は、ゆあんくんも知ってる感じだよ

ゆあん

…病気はいつから?

じゃぱぱ

小学2年生ごろかな

ゆあん

2年生…

そんな早くから病気と戦っていたなんて、

"ずっと独り"

じゃぱぱが放ったこの言葉。

すごく不安な表情をして、放った言葉。

でも、大丈夫だよじゃぱぱ。

ギュ

ゆあん

俺が独りにしないから

じゃぱぱ

…うんニコッ

じゃぱぱ

ね、ゆあんくん

ゆあん

ん?

じゃぱぱ

…キスして?

ゆあん

ゆあん

うん

チュ

じゃぱぱ

俺が消えるまでそばにいてね

ゆあん

当たり前だろ

君を独りになんか絶対しない。

𝙉𝙚𝙭𝙩 ︎ ⇝500♡

「あの夏が忘れられない。」

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コメント

4

ユーザー

やっぱり泣いちゃいます😭

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