場地圭介
おい、大丈夫かァ??
大体の人が伸された頃、元ガリ勉くんが私に声をかけてきた。
中野 澪
あ、えっと、はい、大丈夫です。
と言いながらも精神はどう考えても大丈夫ではない。
なんなら足だって小刻みな震えてるし、手だって強く握っていないと安心できない。 唇を強く噛んで、笑顔を貼り付けていないときっと私は泣いてしまう。 だから、大丈夫なふりをして彼に返事をした。
場地圭介
ん、そうか。
じゃあ気ぃつけろよ。
じゃあ気ぃつけろよ。
中野 澪
はい、ありがとうございました。
そう言うと彼は、私とは反対方向へと歩いていった。
私も、自分の帰路を辿ることにした。
なんて事はなく、溜めていたものが全部湧き出てきた。
中野 澪
怖ッ…かったッ……
止めようとして止まらない涙は、私の頬を伝って地面や服へと落ちている。
生憎今は周りに人が居ないので、まぁ少しは泣いてもいいだろうと思いつつ、止まらない涙を軽く拭う。
中野 澪
最悪…。
友達出来ないし、上手くいかないし…。変なのに絡まれるし…、ガリ勉くんがガリ勉くんじゃないし…
友達出来ないし、上手くいかないし…。変なのに絡まれるし…、ガリ勉くんがガリ勉くんじゃないし…
中野 澪
国語辞典飛んでくるし…、東京卍會って有名な族だし…、隊長とか言ってたし…。そんな人が私の事助けるわけないしッ…。
中野 澪
もう分かんな"いよぉ"ぉ"ぉ"…!!!
泣きながら大声で話したため、声がガサガサだ。
でも、ほんとによくわからない。 超有名な不良集団の壱番隊隊長がなんで学校であの格好してんの??
わかんない。ほんとわかんない。
??
やっぱりな。
中野 澪
はっ…?
聞き覚えのある声がして、私は後ろへ振り返った。
中野 澪
と、東京卍會の…!!
場地圭介
場地圭介な。覚えろよ
中野 澪
流石に1回じゃ無理です…。
あと、やっぱりな。ってどういう意味??
場地圭介
俺が居なくなったら泣くんじゃねぇかと思ってよぉ、遠くの方から見てたんだわ。
中野 澪
え、え??
私今何も言ってないよね?? なんで伝わった??
場地圭介
顔に書いてあるわ。
中野 澪
ええぇぇ…?
そんな顔に出やすいかな…?? 気を付けよ…。
場地圭介
おら、置いてくぞ。
中野 澪
え?え??
どういう事だよ!!!