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え!むっちゃ神です!続き待ってます!

え、まじかif?え神ですか?ずっと待ってましたしかも今回も神作まじでありがとうございます大好きです
主
主
主
主
主
⚠注意⚠ 現実乖離表現多数 ご本人様とは関係ありません
主
夜の海は凪ぐ
さざ波が打っては引き その度に砂の模様は変わる
人の心が揺れ動くように
もとき
ここまでぶっ通しで歌ってきた
一度も休憩を挟まず、お喋りもなく ただただ歌を歌い続けた
そんな様子にファンも不安を隠せない 「大森さん大丈夫?」 「ちょっと休憩してー!」 「無理しないで!」
その画面を見てもなお 歌うのを辞めない
気の向くまま 歌いたいと思った歌を
もとき
同刻
心当たりのある海まで 距離は意外と遠い
りょうちゃん
ひろぱ
ひろぱ
ひろぱ
運転席では震える手でハンドルを握り 助手席では力強くスマホを握りしめる
りょうちゃん
配信を流しながら彼の様子を伺う 画面は真っ暗、顔も背景もわからない ただ、波の音が微かに響いていた
ひろぱ
ひろぱ
りょうちゃん
りょうちゃん
りょうちゃん
ひろぱ
ひろぱ
ひろぱ
何時間歌っただろうか
声に疲れが滲み始める 普段の生活ですらままならなかったのに 急に酷使するように歌ったのだから
もとき
一息つき、時間を確認する もう夜も更けてくる時間
ギターを構え直し、姿勢を正す
もとき
もとき
もとき
この曲は最後に歌おうと決めていた
今の自分にぴったりで、刺さる
視界が歪み始める 感情の揺れが声に反映される
もとき
自然と涙が流れる
素直になれなかったこと 周りの優しさを無下にしたこと 自分の気持ちを優先させすぎたこと
目の前の人を、大切にできなかったこと
全てへの懺悔が声に乗る
最後の1音まで
もとき
もとき
もとき
呟くように別れを告げ、そっと消す これが最後にやりたかったこと。
もとき
もとき
砂浜にそっと置く 物言わぬそれは静かに風に吹かれた
もとき
もとき
もとき
思い切り振りかぶって投げ飛ばす 小さな水音を立て沈んだ
もとき
もとき
もとき
もとき
悲観的に呟く 気持ちを切り替えるように軽く頭を振る
もとき
もとき
もとき
ゆらりと動き海に目を向ける 足元は水に濡れ 波が誘う様に近づいてくる
もとき
もとき
もとき
もとき
りょうちゃん
りょうちゃん
ひろぱ
ひろぱ
りょうちゃん
りょうちゃん
ひろぱ
海のすぐ近くに来ていた 車を止め転がり落ちるように車外へ出る 砂浜に目を凝らすものの、深い闇に包まれていて中々見つからない
りょうちゃん
ひろぱ
そのタイミングで、水が揺れる音がした
人為的な音、何かが水に落ちる音だった
ひろぱ
りょうちゃん
2人は顔を見合わせる どちらともなく砂浜に駆け出した
月光に照らされる海は黒黒と輝く 誘われるように一歩踏み出せば、 パシャリと水が裾を濡らす
もとき
進むのに少し躊躇する
ただ、ここまで来たからには 引き返す選択肢なんてない 少しずつ歩みを進める
もとき
膝が濡れる
もとき
腰が沈む
もとき
足が浮き、腕が空を切る
波や周りの音は消え キーンとした高音が頭に響く
もとき
もとき
水の音がした場所を目指し砂浜を走る 足が絡まり何度も転びそうになる 気持ちだけが先行し体が追いつかない
ひろぱ
ひろぱ
りょうちゃん
砂浜に置いてけぼりにされたギター さっきまで音を奏でていたはずのそれは すっかり冷えていた
りょうちゃん
ひろぱ
海に目を向ける
月明かりに照らされたそこに ぼんやりとした黒い影が見えた気がした
りょうちゃん
りょうちゃん
「海に、」
声を聞く前に走り出していた 砂は嘲笑うように足を絡め取る それでも足は止めない
ひろぱ
影は見覚えのある後ろ姿に変わる 今まで一番近くで眺めていた後ろ姿 輝き、頼りがいのある背中は今日だけ 全ての荷物が降り小さく見えた
その影が、沈んでいく
永遠のように感じる距離 ゆらゆらと誘われる影は声に反応することはない
りょうちゃん
後ろから声がする 分かっている、このまま飛び込まないと救えない 命を投げ捨てる覚悟が無ければ、目の前の命は救えない
それでも
もとき
もとき
ひろぱ
主
主
主
主
主