コメント
0件
👏 最初のコメントを書いて作者に喜んでもらおう!
7月上旬、
まだ上旬と言えど、 近年の夏は長い。
早くも猛暑と言われる中、 エアコンが壊れた。と
横にいる男が顔を顰めながら愚痴を零す。
冷えたコーヒー缶を片手に パソコンの電源を入れている。
朝から汗をかいたのだろうか。
少しばかり汗臭い。
パソコンでメールの確認をしながら、 流れるように提案した。
コイツはガサツだから。
確認してやらんと、 ただの金の無駄遣いになってしまう。
これは俺の、心からの親切心。
それは向こうも分かっているだろう。
二つ返事で、 訪問が決まった。
仕事終わり
もう夜も更けてきたと言えど、 暑い事にはかわりない。
お互い額に汗を滲ませる。
カコカコと携帯を弄りながら 淡白に応える。
おそらく近場のホテルを 探しているのだろう。
定期的に額や首の汗を拭いながら
少しばかり火照った頬を冷ましている。
いいホテルを見付けたのだろうか。
電話をするため、 携帯を耳に付けてコールを待っている。
夜と言えど夏は暑い。
額から伝った汗が、 顎から滴った。
ガコン
手からすり抜けた携帯が、 派手な音を鳴らして地面へ落ちた
同時に 携帯から受付けの女性の声が聞こえる
俺が拾うよりも先に拾った 携帯の電話を切りながら、
溜め息混じりにそう呟かれた。
コイツは時々、 俺に素っ気ないんだった。
皆にはニコニコと 笑顔を振りまくくせして、
俺には大抵淡白な返事しか しない奴なのだ。
少し、胸がキリキリと 痛んだような気がした。
_部屋を案内する。
どれもに興味を示しているような 表情のまま、
俺の後を健気に着いてくる。
案内をしているのだから、 当たり前だが。
昨日の夜から付けっぱなしだった 風呂場の換気扇を止める。
おかげか。
静かになったこの空間で、 淡白なこの返事が、
より一層冷たく感じる。
脱衣所を出て、 少し廊下を歩いたのちにあるドアを開ける。
少しばかり窮屈なシングルサイズの ベッドを見せる。
今朝起きてそのままだっただらしない 布団に少し恥じらいを感じるが
コイツは多分何も思ってやいないだろう
背中に、
柔らかい感触が伝わる。
瞬時に ベッドに沈んでいるのだと分かった
沈んでゆく感覚は未だ止まず。
押し付けられた手首は ギリギリと痛みを増す。
訳も分からない内に触れられた 唇にも気付けぬほど、 動揺しているんだろう、たぶん
まって、なんて静止を止めようにも 止められないほど
降り注ぐキスが止まない。
上手く呼吸が出来ない
酸素が足らない
脳が働かない
空気を取り入れようと、 口を開ける。
舌
絡んでくる唾液までも 熱を帯びている
ゆっくりと潜入してくる手がこそばゆくて
ぴくぴくと身体がはんのうする
無駄にうねる腰に、 こいつもまた、興奮しているようだった
冷房は効いているはずなのに
あつくて仕方がない
ゆるゆると揺れ動く感覚にまた 腹の奥がズクンと鳴る。
奇妙なこの感覚がいつの間にか 体に染み込んでしまいそうで
こわくなる。
言っていることは分かるのに、 頭が理解を拒む。
言っている事よりも 意識がずっと下半身にいってしまう。
ゆっくりだった動作も、 慣れると同時に段々と速まる。
そのうち息も絶え絶えになる。
それに合わせてまた動きが静まってゆく。
こんなの、知らない感覚のハズなのに
きっと慣れているコイツのおかげで
苦しいが、段々と気持ちいいに 変わっていく。
苦しかった理性的涙も
気付けば生理的なものに変わっている。
押し寄せてくる快感が、 尚恐怖心を煽った。