目を奪われた。
僕
君は…?
少女
私?うーん、名乗るほどのものでもないよ。
彼女の笑い声が、僕の体を流れていく。
清らかな川の流れのように、僕を満たしていく。
少女
このセリフ、言ってみたかったんだ。
動悸が激しい、なんて、おじさんみたいなことを考えてしまう。
少女
ね、君は私のことどう思う?
つっと彼女の指が僕の頬をなぞる。
僕
…僕は、
少女
ふふ
少女
そんな顔しないでよ。
ゆっくりと彼女の手が離れていく。
唇に淡い感触。
少女
おやすみ。
僕は膝から崩れ落ちた。
彼女の手には、
彼のーー人を食らうバケモノに、目をつけられた哀れな少年のーー
眼球が握られていた。
生気を吸い取られた少年はもう、