お兄ちゃん達とヒミツのレッスン

ﾄﾞｶｯ

俺は···本当に、可笑しくないのだろうか。

もう4年生だ。みんな、大人になってる。

俺だけ、まだ子供だ。

ずっとお兄ちゃん達に甘えてばっか。

何も、言い返せない俺が憎い。

悲しんだらダメなのに。

お兄ちゃんたちには隠してるから、バレたら怒られる。

それだけは、嫌だ。

お兄ちゃんたち、に会いたいっ。

お兄ちゃん、来ないかな。

体育館、見に行こっ。

お兄ちゃんたちに会いたいという思いが強すぎて、お兄ちゃんたちに許可もなく高校に来てしまった。

バレたら怒られるに違いない。

体育館を見たら、直ぐに帰ろう。

ﾁﾗｯ

やっぱり、お兄ちゃんたちも飛雄もすごく上手い。

翔陽に会ってないから疲れが溜まってくる。

ｶﾞﾗｶﾞﾗ

やばいやばいやばい！！

早く隠れなきゃ！！

お兄ちゃんたちに見つからないところに行かなきゃ！

俺はお父さんの部屋の奥〜の押し入れに隠れた。

ちょうど俺が入れる大きさで、隠れるのにも上出来。

ここならバレないだろう。

お兄ちゃんたちが帰ってきた！

声出しちゃダメ！音出しちゃダメ！

大丈夫、バレないから。

ｶﾞﾗｶﾞﾗ

蛍お兄ちゃんは俺の隠れ場所を知ってたのだろうか。

直ぐに来た。

すごく怒ってる。怖い。

お兄ちゃん、怖いっ···っ。

ズキッ

蛍お兄ちゃんはすごく怒る。

でも、こーしお兄ちゃんは優しく、でも怖く怒る。

こーしお兄ちゃんが1番怖くて、1番傷つきやすい。

ズキッ

おれは···いらないこ？

がっこうでも、いえでも···おれは、いらないんだ···っ。

ﾀｯ

ｶﾞｼｯ

なんでとめるの？

いらないって、いったのおにいちゃんじゃん。

どうして、おこるの？

おにいちゃんに、すこしだけあいたかっただけなのに。

どうしても、あいたかったの、。

それは、いけないことなの？

あいにいっちゃ、だめなの？

ｷﾞｭｯ

ﾄﾞｻｯ

ﾊﾟﾁｯ

この日、ちょっとだけ大人になれた気がした。

気のせいだけどね。