この作品はいかがでしたか?
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コメント
5件
いや待ってください感動エンドだと思ったのにヤンデレて…‼︎めちゃくちゃ大好きですラストで2回もドキッッてなりました!
好きです。←語彙力は家出中です(:D)┓ペコリンチョ
最後びっくりしたよー こういう作品も大好きです!ありがとうございます
零美
零美
零美
◤◢◤◢注意◤◢◤◢ この話は 死ネタ 多少のBL ヤンデレ要素 を含みます 苦手な方はブラウザバックお願いします また、この話はフィクションであり、御本人様とは関係ありません
"炭酸水"
それは、甘酸っぱくて、苦い思い出の始まりを告げる
僕と彼を思わせるような物
そして、
僕の、世界一大好きで大っ嫌いな飲み物だ
仏
明るすぎる陽キャ
それが君への第一印象だった
この桜が咲く時期には珍しくもない、転校生
モブ1
モブ2
君が話した途端、一瞬でクラスの空気が変わったのがわかった
あちこちで"イケメン"だとか、"可愛い"だとかの賞賛の言葉が飛び交い、あっという間に止まらなくなる
初兎
ぼそっと呟いた僕の声など、歓声にかき消されてしまう
先生
先生
仏
初兎
先生のいきなりの発言に戸惑いながら、僕はおずおずと手を挙げ、控えめに声を発する
モブ3
クラスのあちこちでひそひそと転校生が僕の隣であることを批判する声が聞こえてくる
そりゃあ、クラス1の"人気者"がクラス1の"陰キャ"と隣になって、いいと思う奴はいないだろう
仏
当の君は、そんなこと気にもとめずに一直線に僕の所へやって来て、話しかけてきた
初兎
生憎、僕は話すのが苦手な為、途切れ途切れに会話を続ける
仏
初兎
仏
初兎
仏
初兎
これが、僕と君の初めての出会いだった
初めは話すこともないだろうと思っていたのに、
仏
何故か僕とお昼ご飯を食べたがったり、
仏
何故か僕を帰るのに誘ったり、
仏
何故か僕を遊びに誘ったり、
ここまで僕に固執する理由が正直理解出来なかった
初兎
初兎
ある日、僕がそう尋ねてみると、
仏
そう、満面の笑みで答えた
初兎
仏
僕の反応に酷く驚いたのか、君は目を見開いてびっくりしている
それもそのはずだ
僕は、今までの君の誘いを全て断ってきたのだから
初兎
仏
初兎
日曜日
仏
初兎
仏
初兎
仏
初兎
仏
仏
初兎
仏
初兎
初兎
仏
仏
初兎
君は僕の腕を握ると、駆け出した
そんな君に引きづられつつ、僕は"どこに行くのだろう"と不思議と考えていた
初兎
仏
初兎
いむくんについていったはいいが、既に知らない道が多く、僕は困惑を繰り返していた
仏
仏
初兎
仏
初兎
仏
初兎
仏
初兎
仏
初兎
仏
いむくんに言われ、僕は必死に笑った時があったかと思い返してみた
しかし、笑った記憶などなくて、いむくんのいってることが正しいのだと認めざるを得なかった
初兎
仏
初兎
仏
初兎
仏
初兎
そう言った直後、僕の視界は真っ黒に染まった
初兎
仏
初兎
仏
仏
初兎
仏
明るく装飾された遊具の数々に、はしゃぐ大勢の人達
君と僕が遊ぶのに、最もミスマッチな場所だ
初兎
仏
仏
初兎
仏
初兎
仏
初兎
初兎
仏
僕は、ほんのり火照った顔を隠すように、歩き出した
そこからは、コマ送りのように時間が早く過ぎていった
仏
初兎
お化け
仏
初兎
仏
初兎
まだお昼だというのに、お互いすっかり疲れきって、机に突っ伏している
仏
初兎
仏
店員
仏
初兎
一口飲んでみると、ソーダ特有の甘酸っぱいしゅわしゅわが口で弾け飛んだ
初兎
仏
初兎
仏
君が飲んでから、"これって関節キス"とか考えて、ぶわっと顔に熱が集まるのがわかる
仏
初兎
午後も、僕らは時間が許す限り遊んだ
仏
初兎
仏
初兎
仏
初兎
仏
夕方まで遊んだ僕らは、最後に観覧車に乗っていた
初兎
仏
初兎
初兎
仏
初兎
僕が君の方を向いた瞬間、唇が何かに触れたのが分かった
一瞬の、短い短い口付け
君が僕にしたものだと気がつくのに、相当な時間を費やした気がする
初兎
仏
仏
初兎
頭が上手く回ってくれない
顔はずっと熱を帯びていて、脳はショートしてしまったみたいに動かない
仏
初兎
仏
身体が硬直して動かない
"なんで僕なの?"とか、"別の子の方が…"とか、色んな思考が頭の中を駆け巡る
でも、何故か答えはすんなりと出てきた
初兎
仏
初兎
仏
少し痛いくらいな力で抱きつかれ、観覧車はちょうどてっぺんを回った
僕の口の中には、初キスの感触と、関節キスをした時のしゅわしゅわの炭酸が残っていた
あの日から、僕といむくんの距離は急激に縮まった
仏
初兎
モブ1
もちろん漫画のように上手くいくわけもなく、僕は嫌がらせや虐めも受けた
でも、その度にいむくんが助けてくれたから、僕は嬉しかった
仏
初兎
仏
初兎
仏
初兎
いむくんの前なら、ほんのちょっと垢抜けたように話せた
初兎
ある日を境に、いむくんはぱったりと学校に来なくなった
これで、もう1週間は学校に来ていない
1時はなくなった虐めも再発し、俺は1週間に1度の保健室登校に変え、学校に通っていた
初兎
虐めの再発に、恋人の消失
俺の精神は、もうズタズタに引き裂かれていた
せめて虐めっ子に見つかる前に帰ろうかとかばんの支度をする
先生
初兎
先生
先生は、星空の描かれている便箋を渡してきた
俺が受け取ったのを確認すると、先生はすぐに行ってしまった
初兎
俺は、その便箋の裏を見て、驚愕した
初兎
そこには、今1番会いたい人の名前が綴られていた
初兎
俺は、慌てて封を開けた
初兎ちゃんへ
まず、急に学校来なくなってごめんね!
僕ね、ちょっとだけ病気になっちゃったの…
手術して治ったら戻るから待っててね!
僕、金曜日に学校に手紙を送るから、絶対見てよね!!
勉強とかも頑張ってね!!
仏より
見終わったとき、俺は少し安堵していた
いむくんの生存確認と、"戻ってくる"という言葉に
初兎
そんな独り言を呟き、俺は夕暮れの帰り道に足を運んだ
初兎
いむくんから手紙が届き始めてから、俺は少し学校に行くのが楽しみになった
心做しか、虐めも少し減った気がする
初兎
初兎ちゃんへ
今日はお外歩いたよ!!
ちょっとだけ容態がいいと連れてってくれるから、嬉しい!!
次初兎ちゃんに会う時は、絶対前みたいに戻すからね!
楽しみにしててよね!!
仏より
____________________
いむくんからの手紙は、数年に渡って学校に送られた
俺も、もう高校生なのに、毎週金曜日に手紙を受け取りに来ていた
今日は、付き合ってからちょうど4年目の日
先生
先生
先生は、いつもの便箋と、なにか箱を渡してきた
先生
初兎
先生
先生と軽い雑談をしていると、下校のチャイムが鳴り響く
初兎
先生
いつもは学校で読んでいた手紙を家で読むのは、少し新鮮な気分だ
俺は、箱を机に置き、いつもより少し気分があがったまま、手紙の封を切った
初兎
初兎ちゃんへ
この手紙が届いたころ、初兎ちゃんは高校生かな?
学校楽しんでる?虐めはなくなったのかな?
いっぱい聞きたいことあるけど、今日は最後のお話をしようと思ってこれを書いてます
まず、僕の病気について
僕の病気は、心臓移植が必要な病気だった
そして、それを治すために、ドナー患者が必要だったの
あるとき、僕とドナーが一致した人がいることが発覚した
その人の名前は、"初兎"
僕、何度も名前聞き返したんだけど、何度聞いても初兎ちゃんの名前だった
ドナー提供する際、もしかしたら初兎ちゃんが死んじゃうかもしれない
そう思ったら、苦しくなって、初兎ちゃん以外の人のドナーならやるって言ったの
数ヶ月間、病院の人も必死に僕に合うドナー患者を探してくれた
でも、見つからなかった
僕は、その時に死ぬことを決意しました
今まで初兎ちゃんが受け取っていた手紙は、全部中学生の僕が書いたものなんだ
僕からの最後のプレゼント、受け取ってくれると嬉しいな!!!
初兎ちゃん、今までありがとう!
ずっとずっと、"僕だけの初兎ちゃん"だからね!!!
来世でもずーっと一緒だよ!!
仏より
初兎
俺は、ずっと泣き続けていた
気づかなかった自分の無力さに対する呆れと悔しさ、頼ってくれなかったいむくんに対するほんの少しの怒り
そして、また会いたいと願う強い願望
初兎
初兎
初兎
ずっとずっと、苦しさは消えなくて、行き場のない想いをただ涙にして流す
どれだけ泣いたのだろうか
俺は、ふと先生に渡された箱を思い出した
初兎
丁寧に、中のものを傷つけないように開けていく
初兎
そこに入っていたのは、水色のソーダだった
星の装飾がされている瓶に、光り輝いて入れられている
初兎
俺は、ぶり返してきた涙を止めるように、そのソーダを開けて、一気に飲んだ
しゅわしゅわと炭酸が口の中を弾け飛び、同時にあの頃の思い出をフラッシュバックさせる
初兎
飲みほした瞬間、俺の身体に激痛が走った
息がまともに出来ず、次第に血も吐き出してしまう
初兎
俺は、意識を保てず、意識を飛ばした
最後に見えたのは、水色の瓶と、いむくんのくれた手紙だった
仏
仏
初兎
仏
初兎
初兎
仏
仏
仏
一生、僕だけのしょ〜ちゃんだからネ♡