短編集

朝

体が重い

いつも以上に頭の重みを感じる

布団をかけていた自分の体が汗だくなことに気づいた

起きあがろうとした時——

ｽﾞｷﾝ

言葉にならない痛みが頭に響く

頭が痛い、体が熱い、

なぜか自分の机の引き出しに入っていた体温計で熱を測った

体温計には38、9と表示されている

思わず笑いがこぼれる

今日は学校だ

別に何もないなら全然サボる

なんならサボりたい

でも今回は

そう、今日は放課後あいつらと遊びに行く予定があった

ｽﾞｷﾝ

さっきから痛みは治らない

自分の体が熱いのか床が冷たく感じる

それに頭の中がぐるぐるする

熱、頭痛にめまいも追加された

やっとの思いでリビングに着く

2階から降りてくるのになぜか時間がかかった

そのままソファに座る

頭が回らない

とりあえず時計を見てみる

7時30分

焦りと共に記憶を取り戻す

ふらつく足取りで登校し、教室に入る

聞き慣れた声が耳に入る

聞き慣れた声なのに熱があるせいか誰かわかるまで時間がかかった

いつものメンバーと朝の挨拶を交わす

このメンバーで放課後遊びに行く予定だ

こさめが話を切り出す

まずい、話についていけない

いつもなら全然ついていけるのに

あぶな

メンバーにバレたら遊びに行けない

絶対バレないようにして

学校が終わるまでに熱を治す！

と、俺は心の中で誓った

ｷｰﾝｺｰﾝｶｰﾝｺｰﾝ(学校終了

なんとかバレずに学校終了

学校生活を送ってるうちに

だんだん元気になってきた

これなら遊びに行けるな

と少し気持ちが弾む

誰もいない家に1人で挨拶をする

今は3時10分

遊びに行く準備を始めようとした時だった