売られた俺は、裏社会へと

俺の両親は、最低な人だった

気に入らない事があると、直ぐに暴力に走る

それに、金の使い方も荒い

そのせいで、うちにあっち系の人達が来る事も…

その人達の怒号で眠れない日も良くある

家の中だけならまだいい

まだ“逃げ場はある”から

なんか、冤罪掛けられるし

唯一の頼みの綱の、担任に至っては無視を決め込んでいるし

兎に角、俺には逃げ場なんてものは無かった

何故、此処で公共機関に頼らないかだって？

そんなん、慣れたからだよ

今更逃げ出すのも、めんどくさいから…ｯ

だってｯこんなにも身体がボロボロになっちゃったからｯ

もう、取り返しがつかないからｯ

あぁ、また今日も怒号が聞こえてくる

今日は、やけに長いな…

……ちょっと、様子を見てみるか

2人共、なんか焦ってね？

そう思いながら近付くと、急に腕を掴まれた

…此奴ら、正気か？

実の子供を、売る？

そう言うと、あっち系の人は俺の腕をひったくる様に掴んだ

え、俺臓器とか売られるのか？

まじか…

まぁ、この家に残っても良いことなんてないし

それならいっその事、殺される方が案外楽なのかもしれない

そんな事をぼーっと思っていたら、いつの間にかハンカチで鼻や口を押さえ付けられ

眠らされていた

此処…は？

確か、あっち系の人に眠らされたんだ

あれ、だとしたらなんでこんな綺麗な場所に居るんだ…？

身体に、目立った損傷もないし

びっくりした…

振り向くと、ルビー色の目をした、この世の人とは思えない程容姿が整っている人が居た

「俺の婚約者♡」

どうやら俺は、厄介な人に目をつけられたようです