主人公 : 晴翔 小学5年生
妹 : 小晴 小学4年生
晴翔
プルルルルル...
母
バッドタイミングで電話が鳴った。
大体のコールは病院からだ。
母
そして今日も、きっと病院からなのだろう。
母の声が暗く響いた。
僕の妹は、病弱でずっと入院したままだ。
最後に家に帰ってきたのは、多分2ヶ月くらい前だ。
晴翔
母
母
(また1人か...嫌だな...)
(けど、そんなこと言ったらだめだ)
晴翔
父
母
晴翔
晴翔
母
父
ガチャン
玄関の扉が閉まる音が、広くなりすぎた静かな家に重く響いた。
晴翔の視界が滲んで、鼻がツンと痛くなる。
晴翔
そう自分に言い聞かせてリビングへと引き返した。
100点満点のテストをゴミ箱に捨て、洗濯物を畳んだ。
(帰ってきたら、褒めてくれるかな...)
晴翔には好きなことがあった。
それは『ミュージカル』だ。
そして、小晴もミュージカルが好きだった。
いつかは2人で、舞台に立とう
それは2人の永遠の約束だった。
そして家に1人になった晴翔が必ずやるのはミュージカルの練習だ。
1人で脚本を考えて、ぬいぐるみを総動員させて演じる。
1人ではあったが、晴翔の好きな時間ではあった。
晴翔
晴翔
晴翔
??
晴翔
突然、聞き覚えのない声がして、晴翔は驚いたように周りを見回した。
が、誰も居らず散乱したぬいぐるみと脚本を書き殴った紙だけがある。
晴翔
恐る恐る訊ねる。
??
すぐ近くで声がした。
晴翔が声のした方を見る。
が、そこには小晴が晴翔にくれたクマのぬいぐるみしかない。
まさかと思い、晴翔がぬいぐるみを抱き上げる。
晴翔
クマのぬいぐるみ
晴翔
晴翔は驚き、思わず尻もちをついた。
クマのぬいぐるみ
晴翔
クマのぬいぐるみ
クマのぬいぐるみ
クマのぬいぐるみ
クマのぬいぐるみ
晴翔
クマのぬいぐるみ
晴翔
晴翔はミュージカルをする仲間が増えたと思い、満面の笑みを浮かべた。
クマのぬいぐるみ
それから2人は毎日、ミュージカルの練習をした。
1人でやっていた時よりも、何倍も楽しいミュージカルに、晴翔は一人ぼっちを嫌いにならなくなった
そしてある日、再び電話がかかってきた。
コメント
1件
おもしろい(=^▽^=)続きあったら見たいです!