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ショッピ

はぁ…

1つ息を零せば

宙に漂う白い息

ふわりと現れ ふらりと消える

不安定な存在

ショッピ

……遅い、なぁ。

少し強い風が吹いて 身震いをする

待ち合わせ時間が過ぎて 1時間15分。

待ち合わせ場所は当たっている、 何度も確認した

LINEの既読、無し

電話は、でない。

何度も、何度も、やったのに

結局返事はなかった

この日をどれだけ楽しみにしていたか、

ショッピ

…くそ、ムカつく。

とうとう足が疲れてしゃがみこむ

あぁ、くそ、視界が滲む

水彩絵の具のじわりと滲むあの感じ

まさにそれだった

弱い、駄目だ、泣く 泣くな、泣いたら、

ショッピ

…っ!

声が出づらくなった

喉につっかかる

気持ち悪い、腹立つ

成人男性が何をやってるんだ、

ショッピ

ぅあ、せんぱい、さむい。

ぽたりぽたりと 柔らかくて冷たい 白のカーペットに雫が落ちる

染み込んで、消えて また染み込んで、消えて。

沢山落としても消えていく

ショッピ

せんぱいの…うそつき、

嫌いだ、

あんな奴、大嫌いだ

涙を誘うこの季節も

既読がつかないLINEも

そして何よりも

弱虫な俺が、大嫌いだ

コネシマ

____ッピ君!

ショッピ

微かに聞こえた、あの声

気のせいじゃない、あの人の声だ

衝動に駆られバッと顔を上げる

ショッピ

____こねしま。

コネシマ

御免ショッピ君!遅れてしもて、

ショッピ

……嫌いだ、くそ先輩なんて、嫌い、滅茶苦茶寒いんですけど。

仕事の後なのか、スーツ姿で やってきた

また視界が滲む

1つ2つと 雫が落ちる

ショッピ

うっ、ぁあ、

コネシマ

…本間にすまん、お詫びとってもあれやねんけど、

俺はぐちゃぐちゃになった顔を上げ

恋人の顔を見ると

何時もより緊張した顔で 真っ直ぐ俺を見ていた

コネシマ

……俺の隣にずっと居ってくれ。

差し出されたのは

淡い赤紫の宝石が光る指輪だった

ショッピ

…え。

唐突な事で頭が真っ白になる

まるで今の雪景色の様に

1面真っ白だ

ショッピ

…これって。

コネシマ

言わなくても分かるやろ。
…大丈夫や、俺が一生御前を守り抜く。
何があっても、俺は御前の恋人やから。

ショッピ

____っ!!

あぁ、本当、この人はずるいなぁ。

そうやって、俺を

ショッピ

___喜んで。

温めてくれる。

寒いね、なんて、言わない。

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