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テラーノベルの小説コンテスト 第4回テノコン 2025年1月10日〜3月31日まで

帳の壁に飛び散った紫色の血が張り付く。 それを薄らと外から確認しながら五条が愉快そうに笑った。

五条悟

凄まじいね

五条悟

これが特級過呪怨霊 祈本里香の全容か

五条悟

女は怖いねぇ

蝶野〇〇

……

隣に女がいるときに言うべきでは無いセリフを吐く五条。 隣のその女はと言うと、悪寒で動けなくなっていた。

帳を挟んでいるため見た目は分からない。 呪力を肌で感じることも出来ない。 それでもこれ程まで伝わる恐怖、憎悪。

いざ敵として目の前にしたら逆に動けるのかもしれない。 けれど今自分に害はないと思うと分かる、 客観的に見た恐ろしさ。それに素直に恐怖していた。

五条が平気な顔して笑っていられるのは 恐らく"最強"たる所以のひとつだろう。

今もドチャドチャという呪霊を痛めつける音と 高くガラついた叫び声が帳外でも分かるほど響いている。

蝶野〇〇

申し訳ないけど化け物ですね

祈本里香

りかきれいなのすきぃ

その頃中ではぐちゃぐちゃになった呪霊と 手を紫色に染めた里香。

そして小学生2人と真希を抱えて歩く乙骨がいた。

乙骨憂太

はぁ、はっ───っんぐ

元から力が強い方ではない乙骨が人3人を抱えて歩くのは 相当キツいし体力も気力も必要なこと。

息を切らし、汗を垂らしながら 1歩、また1歩と少しづつ出入口まで進んでいる。

乙骨憂太

皆…もう少しだから!

乙骨憂太

( 早く皆を先生達に診せなきゃ!)

乙骨憂太

( 呪いが里香ちゃんの気を引いてるうちに )

乙骨憂太

───っ!!!

重さに震える腕と足。ジクジクと筋肉が痛み、 産まれたての子鹿のように足が上手く動かない。

乙骨憂太

まだ倒れるな…!まだ!!

乙骨憂太

ここで変わるって決めたじゃないか!!

頑 張 れ 憂 太

乙骨憂太

!!、うん

乙骨憂太

頑張るよ!!

バシュッと帳が上がる。 五条と〇〇の前には地面に転がる乙骨。

五条悟

おかえり

五条悟

頑張ったね

♡.*・゚┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈゚・*.♡

小学校からほど近い病院の廊下。 そこには長椅子に座る乙骨と〇〇、横に立つ五条がいた。

五条悟

問題ないってさ

五条悟

真希も子供も

乙骨憂太

よかった…

蝶野〇〇

乙骨くんが頑張ったおかげですね

ニコッと微笑む〇〇に眉を下げる乙骨。

五条悟

何かスッキリしない顔だね

乙骨憂太

……初めて自分から里香ちゃんを呼びました

五条悟

そっか、1歩前進だね

乙骨憂太

少し思い出したんです

「約束だよ、大人になったら里香と憂太は結婚するの」

「いいよ」

「じゃあぼくらはずーっとずーっといっしょだね」

乙骨憂太

里香ちゃんが僕に呪いをかけたんじゃなくて

乙骨憂太

僕が里香ちゃんに呪いをかけたのかもしれません

五条悟

…これは持論だけどね

五条悟

愛ほど歪んだ呪いはないよ

乙骨憂太

……先生

乙骨憂太

僕は呪術高専で里香ちゃんの呪いを解きます

蟲 の 呼 吸 の 継 承 者 、1 級 呪 術 師 🦋

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