翌日の教室
詩乃が教室に入ると、蓮が誰かと 話していた
悠真
蓮。おはよう
彼は久遠 悠真 私の知っている限り、蓮くんと一番仲がいい人だ
蓮
……おはよう
悠真
相変わらずクールだな〜。もっと明るくいこうぜ
蓮
いや…俺はこれでいい
詩乃
(蓮くんが誰かとこんなに話しているのを見たのは初めてだ)
千遥
おはよう〜。詩乃!
千遥が後ろから急に声をかけた
詩乃
うわっ!
詩乃
びっくりした〜
凜音
おはよう。詩乃
詩乃
おはよう。二人とも
千遥
何やってるの?こんなところでボーっとして
詩乃
ううん。何でもない
と答えると、詩乃はそっと自分の席に向かった
お昼になり、三人でお弁当を食べていると千遥が突然質問してきた
千遥
ねぇねぇ。二人はさ、もしあと一年しか生きれないとしたら、何する?
詩乃は驚いた
凜音
どうしたの?急に
千遥
昨日の夜に心理テストをやってて、そんな質問があったから、二人ならどうするかなって
詩乃
(やめて…そんなこと、考えたくないのに…)
凜音
私だったら、今までと同じように生活するかな
千遥
え?何か自分の好きなこととかしないの?
凜音
うん。しないかな
詩乃は「そんな話やめよう」とは言えなかった
この話をしている時、時間が経つのが長く感じた
放課後になり、詩乃は帰りの支度をしていた
詩乃
あ…
プリントを落としてしまった
蓮
……はい
落としたプリントを蓮が拾ってくれた
詩乃
あ、ありがとう
詩乃がお礼を言うと、彼は教室を出て行ってしまった
帰り道、詩乃は放課後の出来事を思い返した
詩乃
蓮くんはクールだけど、優しいんだな
詩乃
……
詩乃
本当に蓮くんが…一年後に死ぬなんて、信じたくない
詩乃
そんな未来、あってほしくない…






