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宮田

うぇーい

宮田

元気でやってる?

うぜえ

東吾

うざいから来んな

宮田

は?お前絶交すんぞ

やべ、口に出てた

 

こいつはそこまで仲良くもないのに

やたら話し掛けて来る

サッカーの件で

未だ気を遣ってそうなところも含めて

余計にうざい

宮田

何だよ機嫌悪ぃな

宮田

手芸部の内情を聞こうと思ったのに

東吾

別に何もねえよ

宮田

どうせ指に針刺さりまくってんだろ?

東吾

そんなことねぇわ

宮田

嘘つけ、まだ絆創膏してんじゃねぇか

バレてた

宮田

ま、気張らずに頑張れよ

東吾

別に頑張らねぇわ

手芸部ごとき、と言いそうになったが

それはちょっと失礼かと思いやめた

宮田

そういや体育祭どうするん?

東吾

何が?

宮田

恒例の部活対抗レース

宮田

部長が走んなきゃいけないやつ

東吾

あぁ、そういやあったな

宮田

手芸部部長は去年欠席してたっぽいけど

東吾

あー

あの人走るの遅そうだもんな

いや、それ以前に目立つのが嫌なのか

ほんとは走れるのに欠席してたとしたら

それは勿体ない気も

宮田

副部長が代わることもできるらしいけど

東吾

え?

宮田

どうする?

宮田

お前走る?

東吾

いや……

宮田

足、走れるくらいにはなったんだろ?

東吾

それはそうだけど

まだあんま走る気にはならないっていうか

東吾

まぁ部長次第かな

宮田

なんでだよ笑

宮田

そんな部長の権限強いん?笑

東吾

うん、めっちゃ強い

東吾

腕立て伏せ100回とかやらされる

宮田

要らねぇだろそんなん笑

宮田

こっちでもしねぇわ笑

宮田

……あーでもこれからはどうかな

宮田

権限は俺に委ねられてるからなぁ

東吾

え?

宮田

あ、知らなかったっけ?

宮田

実は俺、次期部長なんだよね笑

ふざけんな

東吾

辞める人続出しそうだな

宮田

ふざけんな!

宮田

辞めたのなんかお前くらいだよ

それはそれで物悲しいけども

宮田

だからレースも任されてんの

宮田

ここが力の見せ所だから

宮田

毎朝走って鍛えてんだよ

東吾

それはご苦労なことで

宮田

他人事じゃねえよ?

宮田

お前も俺と争うことになるかもしれないんだから

東吾

なら俺走んないわ

宮田

なんでだよ!走れよ!

内心、ほんとにムカついた

単なる嫉妬だった

走る気もかなり無くなった

単なる自信喪失だった

実際、自分の足が

文化部の人より遅くなってたり

転んでまた怪我したらと思うと

怖くなった

自分のプライドを守るのは

情けないことかもしれないが

今はしてもいい選択だろうと思った

それでもなんか落ち着かず

廊下を勢い任せに突き進んでいると

西都

あ、東吾くんじゃん

西都

やっほー

東吾

あ……こんちは

初めて部室以外の校内で出くわした

 

西都

何してるの?

西都

僕は理科室に移動中だけど

西都

あ、ぼっちなのは触れずにお願いね笑

東吾

はいはい

西都

うわ、その相槌は相槌でなんかムカつく

東吾

なんでだよ

東吾

言うて俺も友達いないけどね

西都

え、そうなの?

西都

でもクラスに話せる人

西都

一人くらいはいるんじゃない?

西都

僕はそれすらいないけども

東吾

……いや

東吾

誰とも話したくない

西都

なるほど、話したくても話せない僕とは違うんだね

西都

じゃあ孤高の一匹狼って感じ?

西都

かっこいー

東吾

そっちこそ馬鹿にしてんだろ

西都

ごめんごめん笑

西都

ちょっと八つ当たりね

西都

ぼっち仲間と判明したのは嬉しいよ

東吾

……八つ当たり

西都

うん、理科の実験って班で協力しなきゃだから

西都

憂鬱だなーって

東吾

あぁ、それは確かに

西都

お、同情してくれる?

西都

嬉しいなぁ

西都

今、東吾くんと会えただけでも良かったよ

東吾

あ、そう

なら良かったけど

西都

で、東吾くんの方も

西都

なんか憂鬱そうだけど

西都

大丈夫そう?

東吾

バレてんのかよ

東吾

……まぁちょっと

東吾

ムカつくことがあったっていうか

西都

そっか

西都

僕で良かったら話聞くよ

東吾

いや、別に……

キーンコーンカーンコーン

西都

あ、チャイム鳴っちゃった

西都

じゃあ放課後、部室で

東吾

あ、うん

 

西都

……あ、待って

西都

今日だけでいいから

西都

お昼、屋上で一緒に食べれる?

東吾

え?

西都

屋上、誰も人来ないからさ

そりゃ立入禁止だからな

東吾

別にいいけど

東吾

なんで急に?

東吾

あと、教室じゃ駄目なの?

西都

うん、変に目立っちゃうから

そういえば今も

人が来ないかキョロキョロしてるな

東吾

それは別に、俺は構わないけど

西都

そう?それはありがたいなぁ

西都

でもやっぱり

西都

人がいないに越したことはないから

東吾

……そう

そうやって今までも気にして

一人で屋上に居たんだろう

西都

急に誘ったのはね

西都

放課後まで待てそうになかったから、かな

東吾

西都

話、じっくり聞かせてね

西都

じゃ、お昼に

東吾

……

今の時点で

苛つきはちょっと収まったかもしれない

東吾

え、菓子パンだけで足りんの?

西都

足りる足りる

西都

あんま太りたくないしね

どう見ても痩せ過ぎだろ

東吾

いや、栄養が……

西都

うわーそっちは彩り豊かなお弁当だね!

西都

毎朝作ってるの?

東吾

あぁ、これは母親が毎回持たせてくる

東吾

食堂あるからいらないって言ってんのに

西都

あはは、良いお母さんだね笑

東吾

まぁ、感謝はしてる

申し訳なくも思っている

小学校から中学校までサッカーを習っていたのに

試合の応援にも時々来てくれていたのに

相談もせず勝手に部活を辞めたからだ

期待を裏切る形になったことは確かだった

親は特に何も言わない

その態度が余計に心苦しかったりするのだが

西都

いいなぁ

西都

うちの親はいっつも適当だよ

西都

そのくせ化粧水とか借りると怒るんだ

西都

ちょっとくらいいいじゃんね

東吾

確かに

その様子だと案外

親とは仲が良さそうだ

東吾

あ、じゃあ

東吾

なんか一口食べる?

西都

え、いいの?

東吾

うん

栄養が足りなさそうだから

西都

じゃあお言葉に甘えて卵焼き貰うね

(箸を伸ばす)

西都

うーん、甘くて美味しい!

東吾

そんなに?

西都

そんなにだよ!

西都

あと、そうだなぁ

西都

友達と食べてるから、余計かな

あっそうですか

東吾

なるほど

西都

なるほどって笑

東吾

俺も屋上だと

東吾

何となく美味しく感じるかもしれない

西都

良かった

西都

じゃあ時々はここで食べる?

東吾

うん、賛成

西都

やったー

“今日だけ”のつもりは

最初からなかったんだろうな

 

西都

──で、そろそろ聞くけど

西都

ムカついたことって?

東吾

いや、何でもない

西都

えー話してよ

西都

嫌ならいいけど

西都

話した方がすっきりすることもあるでしょ?

東吾

うーん……

まぁ、どうせ後々確認することだろうと思い

俺は渋々口を開いた

つづく

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