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蘭side
紫龍いるま
紫龍いるま
ありがとうを言おうとした矢先 威榴真から爆弾が飛んできた。
私は素直に頷けず顔を上げる タイミングを失ってしまった。
桃瀬らん
プロになりたいならが周りに どんどん見せた方がいい。
ネットで知り合った友人たちに 教わった私は勇気を振り絞って いむちゃんや美琴 恋醒たちに見せてきた。
時に厳しい感想をもらいながら へこたれずに作品に 反映してきたつもりだ。
とはいえ、威榴真に 見せるとなると話は違ってくる。
描いているのが少女漫画ということも あるがヒーローが明らかに "誰か"を思わせるからだ。
例え本人が気付かなくても 私の方が耐えられそうにない。
桃瀬らん
何とか返事を絞り出すと威榴真は 「なるはやで」と笑って流した。
流石、空気を読める男は違う。
桃瀬らん
お兄ちゃんの顔をして 笑う威榴真を眺めるうち ほんの少し試してみたい 気持ちに駆られた。
悟られないよう小さく深呼吸してから 何でもないように問いかける。
桃瀬らん
紫龍いるま
桃瀬らん
わざとらしくニコーッと 笑いかけると威榴真は やれやれと言わんばかりに息をつく。
紫龍いるま
桃瀬らん
自業自得だ。
他人を試すようなことをしたからだ。
そう思うのに私はショックで 上手く呼吸が出来なくなる。
何も反応を返さない私を どう思ったのか威榴真は 無言で参考書を読み始めた。
紫龍ほとけ
いむちゃんの言葉が蘇り 私は心の中で返事をする。
私には無理みたい、と。
それでも諦めることは 出来なくて、もうこちらを 見ていない威榴真に話しかける。
桃瀬らん
タイミングを逸した返事に 驚いたのかページを捲る 威榴真の手が止まった。
紫龍いるま
参考書に目を落としながらも 威榴真の表情は優しい。
桃瀬らん
私は痛みを訴える心臓の声に 聞こえないふりをしながら 今度こそ元気よく答えた。