投身自殺した
くだらない僕の走馬灯を見る代わりに
飛び降りたマンションの窓を見た
とても、とても平和だった
一番上の階のおじいさんが本を読んでいた
あれが本来あるべき未来なのだろう
その下の階は
同じクラスの子の部屋だ
机に向かって必死に勉強をしている
あれが本来あるべき今なのだろう
その下は僕の部屋だ
しっかり掃除はしてある
何も問題はない
その下は
優しいお兄さんの部屋だ
僕にいつも優しくしてくれる
そんな彼の部屋では女の人が裸でいた
あの人は僕の隣の部屋のお姉さんで
彼氏がいるって言ってたんだけど
優しいお兄さんがその彼氏さんなのかは疑わしい
どちらにしろ、もはやどうすることも出来ない
その下は
なずなの部屋だ
元、僕の彼女だ
いや、別れた訳では無いのだが
忌々しいアイツと
デートしていたんだから
僕はもう要らないだろう
スマホをじっと見つめて何かを打っている
容量が良くない子だが、その真剣に取り組む姿は今でも愛おしい
まぁ、どうせ恋文でも送っているのだろう
あぁ、後悔ない
そのスマホから少しでも
少しでも目が離せれば
最後に挨拶出来たのにな
あぁ…
最後の部屋は
親友のアルカの部屋だ
アイツは性格が悪くて
僕くらいしか話す人がいなかったな
そんな彼の初めて見る部屋は
なずなの写真ばかりだった
しかも、僕がなずなにあげた髪飾りもある
僕は彼のためにあげたわけではないのだが
きっと要らないからあげてしまったのだろう
あぁ、つらい
早くこの面白みもない走馬灯を終わらせてくれ
なぁ、なんでこんなもの見せるんだ
早く終わってく…
…
…
…
なずな
応答なし
なずな
応答なし
なずな
なずな
なずな
なずな
なずな
なずな
なずな
コメント
63件
好きです、、、
おふおふおふ…おふおふ(←泣いてる