テラーノベル
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「花咲く学園に、春風が吹く頃」 スマートフォンから家庭用ゲーム機まで幅広く展開されている 大人気乙女ゲーム 国から招待を受けた少女リリーが イレギュラー学園に入学し、 5人の攻略対象と出会い、恋を育んでいく。 しかしその恋路の前に立ちはだかる 伯爵家の子息――ないこ。 プライドが高く、 リリーに執着し、 時に攻略対象との関係を引き裂こうとする いわゆる“悪役令息”として描かれている。 そんな男をリリーから守るべく奮闘する攻略対象は数多くの女性ファンを虜にしてきた。 プレイヤーの選択によって物語は分岐し、 誰と生涯を共にするのかが決まるのがこのゲームの醍醐味 王道でありながら完成度が高く、 乙女ゲーム好きなら 一度は名前を聞いたことがある名作として知られている。
ないこ
ないこ
ないこ
鏡に映る自分を見ながら大きな溜息をつく そう。にわかには信じ難いが自分は今、乙女ゲーム「花咲く学園に、春風が吹く頃」の悪役令息、ないこに転生してしまったようだ。
ないこ
メイド
心配そうなメイドの声がする
ないこ
メイド
ないこ
メイド
ガチャッ
ないこ
ぼふんと音を立ててベッドに沈む。 前世では想像もできないほど上等なベッドに感動する
ないこ
鏡を見た時今世の記憶も全て頭に流れてきた。 今日は俺の誕生日の2日前で、まだ9歳の俺は浮かれて使用人の声を聞かず階段を降りる時に落ちてこうなった。ずきずきとした頭の痛みは落ちた時に怪我をしたからだろう。 窓から映る雪景色を眺めながら考える
ないこ
ないこ
ないこ
「花咲く学園に、春風が吹く頃」__通称「花学」 俺が前世こよなく愛していたであろう乙女ゲームである。 5人の攻略対象と恋するだけでは無く、友情エンドや隠しエンド、バッドエンドなど沢山のルートがあり、その質の高さから俺はずぶずぶと沼りやり込むようになっていった。 グラフィックの良さとキャラデザの細さに色々な人の心を掴んだと思う。 一度は俺も「この世界はきらきらしてていいなぁ、行ってみたい」と思った事があった
ないこ
ないこ
この男を好きになる者は、ゲームの中にも現実世界にもいない。 それほどの悪党であり、嫌悪され続けてきたキャラクターだった。 プライドは高く、傲慢。 何もかもを自分のものにしようとし、自身の頭の良さを利用して何度も攻略対象を貶めてきた。 そのため、ないこが関わるルートは例外なく難航し、非常に厄介なものとなっていたのだ。
ないこ
その歪んだ性格には、はっきりとした理由があった。 彼は自分に強い自信を持てず、その弱さが少しずつ性格をこじらせていった。 親の跡取りとして期待される立場にありながら、不安と焦りに押し潰され、やがて「親は自分に興味がない」と思い込むようになる。 認められたくて、見てほしくて、手当たり次第に多くのものを自分のものにした。 だがその行動が決定打となり、ついに親からも見放され、何も残らなかった。 その過去が、あの「ないこ」を形作っていた
ないこ
ないこ
ストーリーを思い返していると、だんだん不安に襲われていく
ないこ
よくある転生もののように自分がどうこうしたらストーリーが変わるのかも分からない。 どれだけ抗っても最終的には断罪されることになったらそれこそ無駄だろう
ないこ
ないこ
天井を見上げる。今世の俺と前世の俺が混ざっているようで見慣れないのに落ち着く変な気持ちになった。一息ついて目をつぶる
ないこ
うとうとして意識が遠のいていく。 これが夢なら楽なんだけどなぁ……と思いながら眠りについた
コメント
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最高でした✨次も楽しみ応援してます!!更新されたら絶対見ますね!!