猫猫
…玉葉様、1つ聞いてもいいですか
玉葉妃
何かしら…?
猫猫
___あの時の大量の花は誰から貰ったものなのですか
玉葉妃
あぁ…私の寝室にあった贈り物の花ね
猫猫
そうです…それらの花から出ていた気体が原因で玉葉様は…
玉葉妃
…そんなに気にしなくてもいいのよ、猫猫
玉葉妃
きっとあの方も知らなかったんだろうし…ね?
猫猫
…そうなのでしょうか
玉葉妃
だって、あれを贈ってくれたのは___
猫猫
……
壬氏様
…薬屋、狐がどうかしたのか?
猫猫
あっ…いえ、なんでもありません
壬氏様
…まぁ、用はこれだけだからもう下がっていいぞ
猫猫
…失礼します
猫猫
(「目的のため」…と魅音姉ちゃんは言っていたが…)
猫猫
このまま放っておくと…何をするか分からないもんなぁ…
魅音
それって私の事かしら…?!
猫猫
みっ、魅音姉ちゃんっ?!
魅音
失礼ね、化け物でも見るような顔して
猫猫
……
魅音
…何かしら…?
猫猫
…あの花の事件の仕業は、魅音姉ちゃんじゃ無いんだよね
魅音
…えぇ。分かってたの?
猫猫
最初は疑ってたけど…玉葉妃に忠告した、って…
魅音
その通りね
猫猫
…魅音姉ちゃんなら事件も全部防げたはず、じゃないの?
魅音
……
猫猫
…それが目的だったの?
猫猫
…答えてよ、魅音姉ちゃん
魅音
…後宮に少しでも借りをしておきたかっただけよ
魅音
じゃあね
猫猫
……
猫猫
…人の隠し事を探っちゃ駄目だよなぁ…
…それは分かっている。でも…
猫猫
何かが引っかかる…
猫猫
(全ての始まりは魅音姉ちゃん…だよな)
魅音姉ちゃんは何をしたいのか…
いつもどこかを転々としていて___
猫猫
___何かを探してる…?
猫猫
じゃあ一体何を…
その時、微かな花の匂いがした
猫猫
…いい匂い……「花」?
猫猫
玉葉妃の部屋に置いてあった花…彼岸花…だったか?
確か花言葉は……
「また逢う日を楽しみに」___?
猫猫
(…何かの偶然かもしれない…けど…)
他にあった花の花言葉は「愛」が多かったはず…
猫猫
…やっぱり自作自演…なのか…いや、考えすぎかもしれない…
だが、頭からはその事が離れなかった
猫猫
…この薬はなかなか治らないか…
魅音
あれ…ここ何の部屋?
猫猫
あ、魅音姉ちゃん
魅音
やっほー、猫猫
猫猫
ここは医療室…みたいな?
魅音
へぇ…
猫猫
…何しに来たの?
魅音
え?いゃあ、気になっちゃって…
猫猫
___多分魅音姉ちゃんの探してる人は居ないよ
魅音
…え?
彼女の瞳が狐のように鋭く光った
猫猫
…魅音姉ちゃん、さ
人間じゃないでしょ
魅音
…!
魅音
何、で……そんな事…?
猫猫
だって…さっきから耳出てるよ?
魅音
えっ、嘘っ?!
猫猫
…な〜んちゃって
魅音
…びっくりした…も〜…
魅音
…で、何が目的なのよ
猫猫
魅音姉ちゃんこそ
魅音
…全部お見通し、って訳か…
猫猫
…今度こそ、教えてよ
魅音
…はぁ…もうっ…!
魅音
猫猫の言う通り...私は人間じゃない
その直後___魅音姉ちゃんは狐になった
猫猫
うわっ…って、狐…だ…!
獣だが、どこか美しさを感じる白い毛並み
先が紅色に輝く九つの尻尾
その姿はまさしく___
猫猫
…「九尾」…!?