壊れた君に救済を

すちはいい子だから後、任せてもいいわよね？

すちごめんね、お母さんこれから仕事なの

いい子で待っててね

ごめんね、もう出るからまた今度ね

今日から中学生ね！

すちはいい子だから

テストは毎回満点だし、部活でも必ず優勝するわよね？

すごーい！すちくんまた満点ね！

すち凄！

天才かよ〜羨ま〜

すちー今日遊び行かね？

そっか、じゃあまたな〜

○○〜早く〜

今行く〜

もう高校生なのね！

じゃあ…

もう私が居なくても平気ね

大丈夫！

お金は置いとくから

たまには帰ってくるわ♪

ん〜…年末とか？

別になんでもいいでしょ

すちはなんでもできるんだから

任せていいわよね？

じゃ、ばいばーい♪

ｶﾞﾁｬｯ

それから

俺の一人暮らしが始まった

と、言っても

今までとそう変わりなく

いつもどうり過ごしていた

今思えばもう俺は

母のことをどうでもいいと思っていたんだと思う

だから

特に何も感じなかった

今日も一人、冷めたご飯を食べる

ｶﾞﾁｬｯ！

自分が開けなければ絶対に開かないと思っていた扉が開いた音がした

少し……期待した

帰ってきてくれたんだって

まだ俺を見てくれるんだって

そんな期待を胸に俺は玄関に向かった

その時の俺の足取りは

軽かったように思う

そこには深くフードを被った

知らない人がいた

お前を救ってみせる

俺の意識はそこで途絶えた