彼女に惹かれたのは……
肌寒い秋だった。
佐奈
いつも元気な君に惚れた。
可愛らしい顔の君に惚れた。
優しさに満ちた君に惚れた。
だから告げたんだ。
拓斗
と
佐奈
彼女は戸惑っていた。
でもそれは一瞬だけだった。
佐奈
なんていつもと違う笑顔で…
彼女は俺の手を取った。
それが恋の再スタート。
拓斗
佐奈
佐奈
彼女は照れているのか
いつも控えめな返事をした。
拓斗
佐奈
だけどやっぱり…
拓斗
違和感しかなかった
クラスメイト
クラスメイト
拓斗
俺は気さくだから…
女子と話すことも多かった。
それなのに…
佐奈
彼女はそんな俺に何も言わなかった。
なんでなのかも…
わからなかった。
だから………
佐奈
なんて帰り道に言われた時は…
どきっとした。
あんなに愛していたのに…?
そんな疑問しかなかった。
拓斗
根性なしだから…
俺はそう答えた。
本当は手放したくなかったけど…
拓斗
拓斗
拓斗
拓斗
俺は彼女に言った。
すぐさま彼女は笑った。
付き合っている時には 一度も見せなかった…
彼女らしい本物の笑顔で。
佐奈
佐奈
言われた時、
またどきっとした。
本当は俺…
愛されていたんじゃないかって。
嫌だともがけば…
また手に触れられていたかもしれないのに……
なのに俺は手放してしまった。
拓斗
佐奈
嘘だ。
全部嘘だ。
端から好きじゃなかった。
自分の優しさがあだとなった。
だから嘘をついた。
彼が誰と話していたって…
何も辛くなかった。
佐奈
ただそれだけだった。
性格が悪い自分を…
私は最後まで隠した。
佐奈
佐奈
佐奈
佐奈
きっと彼は後悔しているだろう。
嫉妬してくれていたんだと…
勘違いしているだろう。
佐奈
本当に根性なしばかりだ。
外は肌寒い。
秋の風が冷たかった。
佐奈
それと同様に……
私の心も冷たくなっていた。
コメント
3件
続編っ! 気になっていたので、続きが読めて嬉しいです...!
まさかの最後、佐奈の想いをしれたという、……
すごくいい作品だと思いますっ!