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夜、丁度1時を過ぎた頃。マイキーこと佐野万次郎は、いつも通り徹夜5日目なのかと言わんばかりのくまを目に飼いつつ、腕時計に視線を落とした。
マイキー
マイキーはおもむろに視線を窓の外に移した。しかし、何が見えるのかと言われると隣の建物のコンクリートの壁しか見えないわけで、コンクリートの灰色を見たことでますますマイキーの気は落ちるばかりであった。冬の癖に暖房が効き過ぎていて逆に暑く、目の前の金属製のテーブルのヒンヤリ感を求めてマイキーは先ほどから頬をピッタリとくっつけていた。流石にこれ以上ここに居ると100%寝てしまうと自覚していたため、部屋の照明をMAXにしていた。しかし、人工的な光とはいえ吸血鬼の血を引くマイキーは、少なからず不快感を感じていた。そう、 マイキーは吸血人種であった。
コンコン。
春千夜
マイキー
マイキーは重い足取りで、部屋からでた。そこには先ほどの声の主である、 三途春千夜が立っていた。
モブA
マイキーは1人の男に案内されて指定の席に座った。そこは広いオークション会場を見渡せる、2階のVIP席だった。
モブA
マイキーが一覧に目を通していると、一番最後に書かれた、おそらく今回の目玉商品に目が止まった。
マイキー
呟いてすぐに会場の照明が落ち、ステージにスポットライトが当たった。
モブA
男が司会を努めつつ、多くの商品が次々と紹介されては買い手がついていった。先日ニュースで盗まれたと話題になった名画。絶滅危惧種の中でもさらに希少なアルビノ個体。そして人間。大人から子供まで多くの人間が競り落とされていた。順調にプログラムが進んでいき残る商品はひとつとなった。
モブA
ステージが暗くなり、また明るくなると、中央に車椅子に乗った少女がいた。とたんに会場のざわめきが大きくなった。
モブA
モブ
モブ
モブ
徐々に値段が上がっていくのをマイキーはぼんやり眺めていた。マイキーがその少女に目を向けると、すぐにマイキーは立ち上がった。その様子に驚いた春千夜も同じように立ち上がった。
マイキー
春千夜
春千夜はすぐに走り出した。
モブ
モブ
モブ
モブA
モブ
億という大台に乗ってしまうと、途端に競りが止まった。
モブA
今にも買い手がつこうとしている時、春千夜がマイクをマイキーに渡した。
モブA
マイキー
一瞬、会場が静まった。そして直ぐにスポットライトがマイキーのいるVIP席に当てられた。とたんに会場の全員がマイキーを見た。
モブA
マイキー
モブA
その時少女は、目隠しをされているのにも関わらず、笑っていた。