1日目。
武道
ココくん大丈夫
だったかな…
だったかな…
千冬
あの人なら平気だろ
結局、ココくんに頼の 護衛を任せてしまった。
ココくんは『任せてくれ!』と 良い笑顔で言ってくれたけど。
武道
一応、頼の家
行ってみよう
行ってみよう
千冬
心配性だな…
千冬
相手が相手だぜ?
千冬
金をつくる天才の前で流石に何かやらかすほど頼も馬鹿じゃな____
武道
あ、ココくんだ!
千冬
え?!
黒いスウェットを格好良く 着こなしているイケメン。
よく見ると、ココくんだった。
向こうから歩いてくる。
が
様子がおかしい。
武道
…………あれ?
千冬
え?…………
なんか………
泣いてない??
武道
千冬さん、お願いなのですけれど俺の頬を思いっきりつねってくださらないかしら
千冬
これは現実よ目を背けちゃいけませんわ、武道さん
千冬
いや、落ち着け
千冬
頼が泣かせたかどうかは
まだわからない
まだわからない
武道
そ、そうだな!
武道
もしかしてその辺で転んで泣いてたのかもしれないし!
千冬
いや幼女かよ
俺たちは恐る恐るココくんに 近づいていった。
武道
あの〜、ココくん?
九井
……………ボス?
振り返ったココくんは 泣き腫らした顔をしていた。
グスグスと鼻を啜っている。
武道
ど、どうして泣いて
いたんですか…??
いたんですか…??
千冬
お前!もうちょいオブラートに包めよ!!
思い切ってそう尋ねると
ココくんは
わっと泣き出した。
九井
俺……俺……
九井
今まで……
がんばってきたのに…
がんばってきたのに…
九井
……それなのに………
おっと??
闇落ち寸前か??
武道
お、落ち着いて…??
ココくんはヒートアップしたように
膝から崩れ落ちて泣き出す。
九井
もぉ"!!!!!!!!!!!あ"の"女嫌い!!!
九井
俺にひどいことゆう……!
なんてこった… ココくんは幼女だったのか…!
千冬
と、とりあえず落ち着きましょう?ね??
九井
ヤ!!!
武道
ヤ!!!って……
九井
俺の人生いつもこうだ!!
九井
俺が何をしたっていうんだ!!
そのまま、ココくんは 走っていってしまった。
千冬
うそぉ……
武道
俺の方が泣きたいよ…
武道
ちょっと、女子ぃ!!
頼
んぁ?タケミッチじゃーん
頼
どしたのー??
ゆるーく返事をして、 スマホから目をチラッと 離してこちらを見た。
千冬
どうしたもこうしたも!
武道
ココくん泣いちゃったじゃない!!
頼
えー??
あー九井くんのこと?
あー九井くんのこと?
頼
てか、あんな危なそうな人護衛によこしたタケミッチたちも悪くない?
千冬
は?
武道
え?
頼
私がヤんなきゃ
ヤられてたんだもん
ヤられてたんだもん
頼
正当防衛だよ
武道
??
千冬
どゆこと??
頼
まぁちょっといじめ過ぎたかもしれないけど
武道
やっぱ頼が悪いじゃん!!!
頼
だって楽しくなっちゃった
んだもん!!
んだもん!!
頼
あの人虐めた時の反応が可愛すぎて
つい……!!
つい……!!
照れ照れしている頼を見て、
ああ、そういえばコイツマイキーくんの悪友だったな……
と改めて思った。