あの夏の日に

G7は会議を終え、各々楽な姿勢になった

こんな感じで駄弁ってたら1時間くらい経ってしまった

そうして、アメリカは会議室を出た

夏空がアメリカの視界に入る

雲の形は違えど、去年と似通っていた

夏の空が不快なんだろう

そう言って、アメリカは自室に戻った

なぜこんなに憂鬱になるのか

それはアメリカ自身にも分からなかった

アメリカが見たのはほこりを被った本棚

その本棚には経済学や政治学など、国として知らなくてはならない知識の本が詰め込まれている

その分厚い本の隙間に

異様に小さい本を見つけた

今まで、さらっと流していたが、太陽の光を反射して光る様は美しかった

アメリカは本棚からその小さな本を抜き取る

表紙に、それっぽい題名は書いておらず

ただ、乱雑な字で『日記』とだけ記されていた

パラパラと日記をめくる

意外とその日記は長く、三日坊主では終わっていないようだ

6月29日、7月3日、7月15日……と、日付はバラバラであるが、ちゃんと長期にわたって出来事が記されている

6月29日 G7でバーベキューに行った 肉が美味しかった また行きたい

7月3日 ロシアと喧嘩した どうしたら喧嘩しなくなるんだろう 普通に仲良くしたいが無理なのかもしれない

7月15日 カナダとパンケーキを食べに行った あいつ意外と女子力高くてびっくりした あと美味しかったから今度親父とかも誘ってみようと思う