人肉チェス

俺はゲン、骨董品を売っては回っている商売人だ

というのは表の顔で、裏の顔は骨董品のような物を盗んではそれを売って生きる泥棒だ

そしてこいつはよく、この酒屋にいる情報屋

俺らのような泥棒に高価な物の流通情報を金と引き換えに教えてくれる

情報によると、この裏路地でやり取りが行われるらしい

本来、このやり取りも違法なんだろう

なんでも事前に持っていた、透明フィルムに書かれたサインで身元証明とするらしい

作戦は、自分がブツを渡しに来たと偽り、そこを襲ってサインを奪う

ザクッ！！

受取人の胸元をナイフで突き刺す

声も出さずに倒れこむ受取人を、そのまま何度も刺しまくる

......死んだか、サインは汚れてない

どうせこいつも違法な取引をしているクズのようなものだ 死んだところで大きな騒ぎになりゃしないだろう...

透明フィルムのサインと、自分のサインを照らし合わせる手渡し人

こいつもこいつですでに違うところから多額の金を受け取ってるらしく、後は俺が直接売りつけるだけらしい

それは情報屋の情報の絵と全く同じ物だった

そのあと俺はホテルに戻り、電灯の明かりの下もう一度そのチェスボードを確認する

こんなものを買う奴の気が知れないな ...そう思いながら俺はベットに横になった

ガクッ！

頭から血の気の失せるような、そんな感覚に襲われた

〜富豪の屋敷〜

そう思いながら、案内に連れられて俺は富豪の主の部屋に連れて行かれる

気味の悪いやつだ

富豪の顔色は悪く、どこかやつれた風に見れる

なんせ落ちぶれ始めてるって話だ、ストレスがたまっているんだろう

何でこんなチェスセットでチェスをやらなきゃいけないんだ...

だがここは我慢だ...機嫌を取らせよう 別に俺もそんなチェスが上手いわけでもないけど...

ガタッ！！

メキメキメキ... チェスの駒に何か、体を持ってかれるような感覚、鈍く大きな痛みがくる

その時、富豪の後ろに掛けられていた鏡ごしに自分の顔が見えた

痩せこけ、大きくへこんだ、原型のない自分の顔が見えた...

ジリリリリ... ガチャ