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月詠涼さん、第43話読ませていただきました。藤原さんがスマホを海に投げるシーン、あまりに唐突で衝撃でしたが「他の女はいらない」という潔さに胸が熱くなりました。結衣が「憧れだった」と気づき、自分の足で立つ決意をしてからの展開だからこそ、あの言葉が刺さります。「お前だけ見るよ」という優しい眼差しに、ここまで積み重ねてきた距離が縮まった瞬間を感じられて、とても素敵なエピソードでした🌷
しばらく抱き合って、ゆっくり離れる。
藤原綺斗
雨宮結衣
藤原綺斗
黙る藤原さん。
……と、思ったら。
突然、ヘルメットを被された。
藤原綺斗
え?
雨宮結衣
藤原さんは私を見るけど、何も言わずにバイクに跨った。
なに?
この流れでジム?
よく分からないまま、私も後ろに乗った。
行き先も分からないまま、しばらく走る。
目の前にある藤原さんの背中。
風に混じる、藤原さんの匂い。
私はそっと、その背中に寄り添った。
しばらくして、バイクが停まる。
着いたのは――
海だった。
……なんで??
バイクを降りてヘルメットを外すと、潮風が髪を揺らした。
藤原さんは海を見ながら、しばらく何も言わなかった。
藤原綺斗
雨宮結衣
藤原綺斗
少しだけ間が空く。
藤原綺斗
雨宮結衣
藤原綺斗
雨宮結衣
藤原さんが私を見る。
雨宮結衣
黙って、私の話を聞いている。
雨宮結衣
仕事のことも。
自分に自信がなかったことも。
人の目ばかり気にしていたことも。
藤原さんに出会って、
少しずつ変われた。
雨宮結衣
私は笑いながら言った。
すると――
藤原さんが、ズボンのポケットからスマホを取り出した。
……ん?
そのまま海の方を向く。
そして――
思い切り投げた。
雨宮結衣
スマホは綺麗な弧を描いて、海の中へ消えていった。
雨宮結衣
驚く私をよそに、藤原さんは何事もなかったみたいな顔でこっちを向いた。
藤原綺斗
雨宮結衣
藤原綺斗
雨宮結衣
藤原さんが、まっすぐ私を見る。
藤原綺斗
――あ。
さっき、私が言った言葉。
『私のことも、見てください』
藤原さんは少しだけ目を細めた。
藤原綺斗
優しい笑顔で、私を見つめる。
藤原綺斗