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何か、大きな音が聞こえた後で 雨の音が聞こえてきた。
朱里
朱里
ソファで寝ていた澪が どこにもいない。
玄関に澪の靴が無いと気づいたのは家中を探した後だった。
朱里
プルルルル
♪〜♪〜
朱里
目の前の机で鳴っているのは 澪の携帯だった。
朱里
朱里
雨が降ってきた。
それでも「私」は行かなきゃ いけないところがある。
澪
朱里に、 ちゃんと話せばよかったかな。
澪
澪
エントランスに入り パネルに「1002」と打ち、 呼び出しボタンを押す。
ガチャン
オートロックが解除される。
澪
パネル
澪
エレベーターで10階まで移動した先に目的の人物はいた。
澪
澪
澪
先生
先生
そう言って先生は 1002号室に入っていく
朱里
雨の中、やみくもに澪を探す
私の中の嫌な予感を 振り払うように走る
朱里
朱里
家中を探している時、 海月のキーホルダーが 1つ無かった。
朱里
もう戻って来ないのかもしれない
嫌だ
「やっと会えたのに」
朱里
朱里
朱里
思い出してはいけなかった のかもしれない。
欠けたピースを 見つけたところで
どこのピースかは 澪しか知らない。
知らないままの方が 幸せだった。
朱里
なぜ今までこんなことを 忘れていたのだろう。
まるで何かのスイッチが 切れたかのようにそれは 唐突に溢れ出す。
澪はあのマンションにいる。
昼間、なぜオートロックが開かなかったのかはわからない。
しかし、今なら開くと 不思議とそう思った。
ガチャン
朱里
朱里
欠けたピースを埋めに 10階へと進む