妄想つめつめ

何も変わらない風景。

いつものように時は流れ、過ぎていく。

絡んだ糸は解けず、

更に難解になるだけ。

ああ、何時もの事か。

身体の沈む、やけに目立つ 青いクッション。

そこにまた、ポツリといる グリッチは虚空を見つめ

溜息をこぼす。

糸を解いてみるが、何も無かった。 分かっていたこと。

水音がする。

あの聞き覚えのあるような...

見覚えのある顔が目の前に。

...。

...やめろ 触らないでくれ 怖い怖い怖い怖い怖イ゛コﾜイ！！！！

この...

この...！！！゛

ｼｭﾙｯ...

元はと言えばinkの方が悪いのだが。

...グゥの音も出ない。

バシャッ

ちょっぴり、悲しいな。

...。

暖かい。

優しく包まれているような...

とても、落ち着く。

いっその事、このまま流されていたい。

あぁ、でも...

でも、アイツが心配するだろうな。

守護者が破壊者を心配するだなんて とち狂ってるが

所詮、俺も"AU"だ。

全ての創作を守るのがアイツの役目 なんだろう。

...。

やけに、アイツが悲しそうな顔をして

此方を、見つめたかと思えば すぐさま顔を逸らす。

あの憎らしい顔が、 台無しになっているのが気になって しまって。

近い。

優しく交わった彼と自身の唇。

酷く、視界がブレても アイツの顔だけはしっかり見えた。

直ぐに離された手が少し、 恋しく感じたのは 気の所為なのだろうか。

口に出した時には

もう居なかった。

最後にちらりと見えた顔が

とてつもなく、愛おしく、 憎らしく、

哀しそうに見えたのも

気の所為、だろうか。

あれからしばらくしても あいつは来なかった

勝手だ。

色褪せたクッションは退屈そうに ねじ曲がる。

これも何かのバグだ

あいつのせい

...。

きっと、...。

俺が、悪いみたいじゃないか...。

......。