ピエロのお面

僕は、堀川聡（さとる） 22歳。

僕は、ここの飲食店でアルバイトをしている。

さっき挨拶を交わしたのは、先輩の山田先輩。

とても親しくしてくれて、 大好きな先輩だ。

そんな先輩との会話で、 僕は自然と笑顔になれる。

僕のスマイルパワーは、 『山田先輩』なのだ。

俺は、飲食店の裏にある倉庫へと向かった。

僕は、呪われたお面らしきピエロのお面を見つけた。

その隣には、店長が買ってきたのであろう、新品のお面が置かれてあった。

触る気になれない。

俺は、勇気を出してお面に触ろうとした

その時だった。

プルルルルルル

電話をかけてきたのは、 付き合って一年程経つ、 僕の彼女だった。

ﾂｰﾂｰﾂｰ

そうやって落ち込んでいると、 また僕のスマホが鳴り響いた。

僕は、古いピエロのお面を捨てて、すぐに仕事に戻った。

こうして、俺達は 花火大会当日を迎えた。

店長は、かなりあの"呪い"を 気にしているようだった。

そこに立っていたのは、 山田先輩ではなく

山田先輩であろうピエロだった。

こうして、山田先輩は 何も喋れないまま

騒がしい夜は終わった。

こうして、僕と先輩は一緒に飲みに行くことになった。

ｼﾞｬｰｰｰ

山田先輩は、大きなイビキをかいて 僕のベッドを占領するかのように

大きな『大』の字になって 寝てしまった。

まあ、どっちにしろこのイビキじゃ隣で寝れなかっただろう。

僕は、寝室から出て、リビングの ソファーで寝ることにした。

そんなことを考えながら、天井を眺めていた。

そして、そのまま寝てしまった。

ﾌﾟﾙﾙﾙﾙﾙ

目覚めたのは朝ではなかった。

もうすぐ深夜3時になる。

一本の電話で僕は目が覚めた。

確かに、あの時僕は焦っていた。

彼女に急にフラレて

店長の声が聞こえて、急いでお面を捨てた……

間違えて捨てていた……？？

僕は、玄関から出ようとした。

急いで。

ｶﾞﾁｬｯ

ｶﾞﾁｬｶﾞﾁｬｶﾞﾁｬｶﾞﾁｬ

ｶﾞﾁｬｶﾞﾁｬｶﾞﾁｬｶﾞﾁｬｶﾞﾁｬｶﾞﾁｬｶﾞﾁｬ

背後から声が聞こえた。

山田先輩……山田先輩だ……

いつもと変わらない声の…

山田先輩だ……

良かった……まだ狂い始めてなかったんだ………

ｶﾞﾁｬｯ

僕は、嫌な予感がしてとっさに振り返った。

そこには、白目が見えない程目が黒く

顔はただれ、口は口裂け女のような

この世のものとは思えないような先輩の姿がそこにあった。

先輩は、不気味な笑みを浮かべ 僕の顔の前に二本指を突き出した。

とてつもない痛みを感じた瞬間、 僕の視界は真っ暗になった。

どうやら、まだ喋れるようだった。

感情があるかどうかもわからないような声。

何も声が出なくなった。

…………………

ﾌﾟﾙﾙﾙﾙﾙ