星が綺麗だなんて言わないでよ
諦められる物も諦められなくなっちゃうじゃん、
h.
ねぇ初兎ちゃん、
S.
あの星さ、ちょっと水色っぽくない?
h.
っえ…
S.
ほらあれ!
初兎ちゃんは空を指差す。
h.
っや、それ僕も言おうとしてた…
S.
え、そうやったん?
S.
じゃー… これは?
h.
?
S.
明るくて、輝いてて、綺麗で、いむくんみたい!
h.
ッ……
まただ。
もうやめて。苦しくなるだけだから
S.
いむくん?
h.
ッあ、ごめん。其処迄言われるとは思ってなくて、
S.
あは、でもほんまの事やから、
h.
//…じゃああれが僕なら隣の紫っぽいのは初兎ちゃんだね
S.
そりゃ光栄な事やなぁ//
S.
んー… あ、そうや!
S.
あの星が僕らならさ、何があってもずっと一緒やな!
h.
! そうだね!
…何それ
そんなのもう告白じゃん…
お願い。お願いだからそんな事言わないで
変に期待しちゃうから
もしかしたら って思っちゃうから
S.
…なあいむくん
h.
何?
S.
昔さ、寝れへんくて此処に来たの覚えてる?
h.
あー… 初兎ちゃんも寝れないからって来てて
示し合せみたいに二人共居たやつ?
示し合せみたいに二人共居たやつ?
S.
そうそうw
h.
懐かしいね、w
S.
あの後さ、こんな遅くに何処行ってたの
って母さんにめっちゃ怒られたよなw
って母さんにめっちゃ怒られたよなw
h.
あったね~ww
S.
そういやもう9時過ぎてるんやんな
h.
あ、帰る?
S.
ううん、後ちょっと
S.
ちょっとだけ一緒に居よ
そう言ってコテン、と僕の方に頭を乗せる。
星を見つめる初兎ちゃんの瞳が潤む。
徐々に目に涙が溜まって行き
軈て雫と成って零れ落ちる。
初兎ちゃんの横顔に、涙が光る。
それはまるで夜空を翔る流れ星の様で
思わず見惚れてしまっていた。
h.
…っ!初兎ちゃん、如何して泣いてるの?
S.
いむくん
S.
好きやで、
h.
……え…
初兎ちゃんが、何を思ってそれを言ったのか
初兎ちゃんの「好き」は、如何云う好きなのか
果たしてそれが嘘か本当かすらも、僕には判らない
S.
ごめッ、もう帰るな
初兎ちゃん、
ねえ初兎ちゃん、
僕は期待して良いの…?
*⋆⁺⊹ 最終話に続く ⊹⁺⋆*