人身売買〜買われた僕の運命〜(完結済み)

僕の親は…仲が悪い

物心付いた時から喧嘩ばっかり

仲良くしてる所は見た事がない

僕に発言権は無かった

何か喋れば｢うるさい｣

たまに…僕の話になる

こんな時僕は部屋の隅で丸くなる

所謂デキ婚だったんだろう

産まなきゃ良かった…か

僕がリスカを知ったのはひょんな事から

料理中に指を切っちゃって

快感を感じたのが自傷のきっかけ

それから僕は時間が出来る度に

カッターで腕を切っていた

でも…

その日々は簡単に消え去った

ある朝、急に呼ばれた

そして車に乗せられた

この時の僕は呑気だった

喧嘩が終わってお出かけかと思っていた

この時の僕は馬鹿だった

騒いで…殴られて意識を失った

何が起きたのか

気付いた時には薄暗い部屋にいた

僕は…親に捨てられた

そして…この部屋での生活が始まった

何もする事がない…カッターも無かった

そんなある日、僕は買い取られた

抵抗しても無駄だと思った

なすがままになっていた

売られた先でされたのは

サンドバッグ

僕はストレス発散の道具だった

毎日…殴られ蹴られる日々

そんなある日…

良い物は…ライターだった

熱くて…痛くて…限界だった

僕はそのまま意識を手放した

目が覚めた時には違う場所にいた

僕はまた…捨てられた

違う人身売買施設だった

この日からだった

僕が…喋らなくなったのは

もういっそ

また捨てられるくらいなら

殺されたい

いいことを聞いたと思った

このまま売られなかったら

殺して貰えるんだ

それからというもの僕は、一切動かなかった

飲まず食わず、ただ寝るだけ

でも狂った、狂ってしまった

あの人が来たから

貴方が僕を買ったから…

♡500！