ドルパロ

あの日、俺は

君に恋をしました

俺は花垣武道 しがない男子高校生だ

普通の家庭に生まれ、特に苦労もなく高校まで進学させてもらった。

そんな俺にも、たった一つ、譲れないもんがある

それは、東京卍會というアイドルグループだ。

2年前にデビューして以来、ずっとテレビ番組を総なめしている、人気絶頂のアイドル。

あることがきっかけでライブに行ってから、俺はすっかり東卍（略称）の虜になってしまっている。

もうすっかりトリコロージュだ（怒られろ）

東卍は5人で構成されている。 リーダーの佐野万次郎 マネージャー兼副リーダーの龍宮寺堅 衣装係の三ツ谷隆 作曲担当の場地圭介 作詞担当の羽宮一虎

みんなかっこいいのだが、俺はその中でも、リーダーの佐野万次郎ことマイキーくんにベタ惚れしていた

こんなに大好きなのに…なんてメンヘラっぽいことを言うつもりは無い

が、頑なに俺のところにマイキーくんが来てくれないのは（グッズ）なぜなのだろう

やはり、とてももどかしい

放課後

声をかけてきたのは、帽子を目深に被り、サングラスをした男性

声がマイキーくんに似て…なんて、そんな訳ないよな（笑）

本人がこんな所にいる訳ないし

路地裏に2人きり…これってだいぶやばい状況なのでは…！！！

現れたのは、キラキラと陽に反射するピンクゴールドの髪。 黒目がちの大きな猫目も爛々と輝いている。

その姿は、どこからどう見ても、恋焦がれ空想した――――

嘘嘘嘘嘘！？！？

マイキーくんが目の前に！？

無理だろ。推しが目の前にいるんだよ？鼻血でそう……出さないけど

そうだ…俺、握手会行きたかったんだ…い、今ならハグもできるかも！？

あったかい…手、綺麗…白い…最高…！！！✨

え、推しが眉間にしわ寄せて…尊いなコラ…じゃなくて！！

え、いいにくいって言われたよな…？？

ぴえん（号泣）

っわ…笑った…！！！

可愛い！！！！カッコイイ！！好き！！！

花垣武道 16歳

今日、平凡な日常に終止符を打ちました