はじめまして　友達

…隣が静かなのは

君の病気が治るから

ｶﾞﾗｶﾞﾗ

ドアが開く音

話しかけても…いいかな

嘘、だろう…

辛そうだったな…

…警戒心が強いなぁ

誰もいないし、見たい気持ちもあるけど

ジェ🧡くんが嫌がってるのに、

無理に会うのは…違うよなぁ

ジェ🧡くんの隣で俺も眠りについた

もう、苦しまなくて…いいんだ

俺を周りの人は普通の人間として…

見てくれる…かな

今までの心無い言葉が頭をよぎる

思い出して、涙が出てしまった

罵声を浴びて、気持ち悪がられた少年時代の俺に

伝えたかったな

こんなことしている場合じゃない

俺にはやることがあるだろう

今日の8時半には俺はここから出ていってしまう

それまでに君に…

ｶﾞﾗ

俺を苦しめていた花を棚から出す

紫とオレンジ色の花

俺は時間がない中、本と厚紙を取り出して作業を始める

少し可愛い便箋を取り出す

君に思いを届けるため

感謝と俺の想い

引かれちゃうかも

手紙の最後は

君への愛の言葉で終わろう

ガヤガヤ

外が騒がしくなってきて

俺は目を覚ました

…

あれ？

しょうがない

今日は俺が部屋のカーテンを開けよう

自分のところから出て、カーテンを開けようとしたら

君の、姿がないんだ

いつものトイレなんかじゃない

自分のところのカーテンもしてない

それに

君の荷物がなくてすごく片付いてるんだもん

おかしいな

不安を抱えてナースステーションへ向かう

俺は、床に膝から崩れ落ちてしまう

今日の…朝？

嘘だ…俺、聞いてないもん

動揺が隠せない

ジェ🧡くんが…？

ﾄﾞｻ

ベットにダイブする

なんで、勝手に行ったの？

なにか残してくれているかもしれない

せめてもの希望を持って

俺は近くのものを漁る

ｶﾞﾗ

見たことの無い封筒

俺は急いでそれを開ける

可愛いな💜くんへ

そこから手紙は始まって

感謝の言葉が何回も書かれていた

君に…

感謝したいのは俺の方なのに

俺の…居場所は君、だったよ？

頑張ってたのは…きみのためだったのに

そして、最後には

ずっと大好きでした。

と、書かれていた

泣いてしまった…

大好きでした。という言葉が目に焼き付く

それを…嬉しく思ってしまう

俺、ジェ🧡くんが好きだったのかな？

当たり前の毎日、君が隣にいて

朝一番に君と話して

そんな優しくて、強い君を

好きになってたのかな。

今更遅いのに…

そして、俺はもうひとつ、君からのプレゼントを見つけた

そう、

紫色とオレンジ色の押し花のしおり

多分、これって、ジェ🧡くんの…

こんなに、綺麗だったんだ

君も、きっと綺麗だったんだろうな…

探そう…

病気を治して、

君にまた、好きになって貰えるように

1年の月日がたって

昔から持っていた持病を見事完治させた

少し、寂しかったりもするけど…

頑張った

周りの人が認めてくれると

その努力が無駄じゃないんだって

実感できるんだ

今日ははじめて学校に行く日

近くのお店のガラスで制服が似合っているか確認する

少し、照れくさいな…

ﾄﾞﾝ

少しよろめいてしまう

俺にぶつかってきたのは

目がくりくりしてて、背が低い

髪の毛の先が青に染まっている子

あんまり話すのに慣れてないから

小さい声で、途切れ途切れになってしまう

こんなに…外の子って馴れ馴れしいんだな

君とはじめてあった時も…

君と同じ学校だったらいいのにな…

やばい、冷や汗が止まらない

ｶﾞﾗｶﾞﾗ

視線が俺に集められている

やばい、やばい

えっと、何言うんだっけ…

名前を言って、好きな食べ物と、えっと…

だ、誰だっけ？青い髪で…目がくりくり…

クラスのみんなが、盛り上げてくれるから

なんか、言いやすくなってきた

ﾊﾟﾁﾊﾟﾁﾊﾟﾁ

ジェ、ジェ🧡？

聞いたことある名前

聞いたことある声

ほ、本当にジェ🧡くん…なの？

ジェ🧡くん…

覚えて…ない？

…そんなことないね

ありがとうございました！