???
黒髪の大柄な男性はグッと唇を噛み 、 バツの悪そうに立っている 。
それからしばらくして 、 男性の右手が俺に迫ってくる 。
今度こそ殺される !
と思った俺は 、 咄嗟に目をギュッと固く瞑った 。
シャオロン
シャオロン
いつまで経っても痛みを感じない 。
不思議に思って目を開けると 、 俺の肩下辺りに手の平があった 。
シャオロン
???
シャオロン
大きな手の平にそっと手を置く 。
俺の何倍も大きくて 、 傷だらけで 、 ちょっと怖くて 、 ちょっと安心できる手 。
この人は意外と優しい人なのかもしれないな …
トントン
シャオロン
トントン
シャオロン
コツン 、 コツン …
ぺた 、 ぺた …
トントンさんの上品でかつ丁寧な革靴の足音と 、
俺の雑で軽い裸足の足音が大きな天井に響く 。
こんなに天井が高くて 、 奥が見えないほど長くて 。
まるで 、 奥に奥に吸い込まれて 、 消えてしまいそう 。
トントン
トントンさんはいきなり立ち止まり 、 何個かある部屋のうち1番手前にあった部屋のドアノブに手をかけた 。
ガチャ …
トントン
シャオロン
トントン
トントン
トントン
シャオロン
トントンさんによると 、 ここの住人は飽きやすく 、 警戒心が高く 、
更には人間界に対して強烈な嫌悪感を持つ方もいるとの事 。
俺は最弱の神でも 、 一応人間界にいた身 。
機嫌をそこねると殺されてしまうこともあるらしい 。
トントン
シャオロン
トントン
シャオロン
トントン
トントン
シャオロン
トントン
涼しげな顔でサラッと怖いことを言ってくるトントンさん 。
それにより俺の恐怖心は最高値まで達し 、 緊張と恐怖で固まってしまう 。
トントン
トントン
シャオロン
バタンッ …
シャオロン
行って 、 しまった …
あの時 、 本当に死んでしまえばどれほど良かったことだろうか 。
今までの人達は苦しみながら死んだ ?
冗談じゃないよ … !
俺も悲惨な形で死んでしまうの ?
俺の人生は不幸すぎる 。
神って存在は 、 美しくて 、 神聖で 、 愛されるものじゃないの ?
どうして 、 俺は … ッ …… ─ ─
コメント
8件