しろせんせーの受難(幼児化)

俺は白井裕太5歳

そう…5歳なんだよなぁ…

さっき、メリーゴーランドに乗った時

ニキに腰に手を回されて抱きしめられた時に、今の俺の意識が戻ってきた

ただ、ここ数日の5歳児としての記憶も残っているからなんだかいたたまれなかった

俺が立ち止まって考え込んでいると、心配そうな顔をしたニキがこちらを振り返っていた

そう聞くニキの声は優しく、俺の事を慈しんでくれているのかま伝わってきた

俺の好きな顔…好きな声…好きな…

うっかり口を開くと全部思っていることを話してしまいそうだ

俺の近くまで来て、俺と同じ目線までしゃがんだニキは、そっと手を広げて抱っこを促していた

でも、俺は恥ずかしくて抱きつけない

恥ずかしくて、ニキの首筋に顔を埋めながら消え入りそうな声で礼だけを伝えた

そしてそのまま、ゆっくり徒歩を進める度に、ゆらゆらと揺れて俺の眠気を誘って行った

メリーゴーランドの後少し寝て起きたボビーは、あっちこっちと僕らを連れ回してくれていた

そして先程、再び夢の世界へ旅だった

ボビーをチャイルドシートに乗せ終わって、キャメさんに先程感じた違和感について話した

りぃちょにも一応、情報を共有しておいた

目の前に差し出されたスマホを覗くと、見覚えのある表情が写っていた

車の外で3人で話していると、車の中から泣き声が聞こえてきた

僕は急いで車の中に入り、ボビーを抱き抱えた

寝ぼけているのか、僕の胸に顔を押し付けながら放たれた言葉に僕達は顔を見合わせた

涙でぐしゃぐしゃになった顔をあげて、こちらを見るボビー

不安そうに言うボビーを安心させたくて、僕は強くその体を抱きしめた

次第に表情が柔らかくなってきたボビーに、もう一度同じ質問を問いかけた

いつもなら茶化してくるりぃちょとキャメも何も言わず、少し離れたところへ行ってくれている

身体は小さいままなのに、話し方が戻っただけでも嬉しくて、僕はボビーの身体を強く抱き締めた