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シンジ
臭い…。あいつまた食べ残したのか。
シンジ
なあ、娘はまだ部屋に引きこもってるのか？
妻
まだ精神的に不安定みたいで
妻
もうここずっと部屋にも入れてくれないし、姿も見れていないの。
シンジ
摂食障害なんて、ただのダイエットのし過ぎだろ？
シンジ
もうそろそろ学校に行かせないと、勉強が追いつかなくなるぞ
妻
そう…ね。
妻
なるべく声をかけるようにしてみるわ。
シンジ
ああ、頼んだ。
シンジ
（それにしてもあいつの部屋の前は臭いな。）
シンジ
（コンビニやスーパーで大量の食べ物を買ってきては）
シンジ
（食べきれなくて腐らせてるらしいからな。）
シンジ
（一体あいつの部屋はどれだけのゴミ部屋になってるんだ。）
シンジ
（想像もしたくないな。）
とある日
ピンポーン
シンジ
おい、チャイム鳴ってるぞー
シンジ
ああ、そうか。
シンジ
今日は妻は出掛けてていないんだったな。
ガチャリ
シンジ
はい
ナオミ
久しぶり
シンジ
え、ナオミ…？
ナオミ
そうよ
ナオミ
数年ぶりなのにすぐに思い出してくれて嬉しいわ
シンジ
な、なんでお前がここに
ナオミ
あなたに会いに来たに決まってるでしょう？
シンジ
お前とは割り切った関係だった筈だ
シンジ
そういう約束だっただろう？
ナオミ
ええ、そうね
ナオミ
でも、そうもいかなくなったのよ
ナオミ
私、妊娠したの
ナオミ
だから、あなたに認知をしてもらいにきたのよ
シンジ
それは…本当に俺の子か？
ナオミ
酷いことを言うのね
ナオミ
貴方の子に決まってるじゃない
ナオミ
でも、疑う気持ちもわかるわ
ナオミ
だから、出産前にDNA鑑定をしましょう
ナオミ
そうすれば疑う余地がない筈よ
ナオミ
ただ、DNA鑑定のお金は貴方に払って貰いたいんだけど
シンジ
…わかった
シンジ
それは俺が出そう
ナオミ
ありがとう
シンジ
……
ナオミ
そんな怖い顔しないでよ
ナオミ
奥さんと別れて私と一緒になって！
ナオミ
なんて言わないから
ナオミ
ただ子供の為に養育費をきちんと払って貰いたいだけだから
数日後
シンジ
ナオミが行方不明？
シンジ
それもDNA鑑定前に
シンジ
なんてタイミングが良いんだ
シンジ
これでもうナオミに怯えなくてすむんだ
カツンッ
シンジ
おっと、テーブルの上の物を落としてしまった
シンジ
あれ、これって俺が昔ナオミにプレゼントしたイヤリングじゃなかったか？
シンジ
なんでそんなものがうちに…
シンジ
それにしてもナオミがいなくなるなんて
シンジ
あまりにもタイミングが良すぎないか？
シンジ
まるで俺の願いを叶えてくれたような
シンジ
そういえば、あのナオミがうちにやって来た日
シンジ
俺とナオミの話を聞ける人物が1人だけいた
シンジ
でも、そんなまさか…
シンジ
娘の部屋からするこの何かが腐った臭い
シンジ
食べ物の臭いだよな？
シンジ
前に比べて臭いがキツくなった気がする
シンジ
俺の気のせい…だよな？
電車の中でも寝る前のベッドの中でもサクサク快適に。
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