私が逃若党という存在に
出会ったのはここからだった。
咲柄 美麗
はぁ……はぁ……
(息切れ)

私は怪我だらけで、無我夢中で、
森の奥を走っていた
咲柄 美麗
はぁ……はぁ……
(走)

北条 時行
大丈夫ですか?
何かあったのですか?
(優しく話しかけ)

咲柄 美麗
あ…あの…えっと…今、ある人から逃げてて!助けていただきたいのですが…

北条 時行
わかりました。
とりあえず…頼重殿を
呼ばなければ…

諏訪 頼重
時行様。
どうかされましたか?

北条 時行
!…頼重殿!少し、
この人を諏訪大社で
かくまいたいのですが…

諏訪 頼重
(美麗を見て)
この人でよろしいですか?

咲柄 美麗
………
(頼重を見ているが
その顔は少し怯えていて)

諏訪 頼重
安心してくだされ。
痛い思いはさせませんので。
(ニコっと笑いかけ)

その時、「ガサ…ガサ…」と
茂みの奥から音がした
咲柄 美麗
!…
(来る…嫌だ…
怖い…!)

諏訪 頼重
怖がらなくて
大丈夫です。

諏訪 頼重
時行様。その少女と
一緒にそこの茂みに
隠れていてください。

北条 時行
?…はい。

私は、時行様と一緒に茂みに
隠れた。その記憶はまだ鮮明に
残っている。
咲柄 美麗
…………
(茂みに隠れ)

北条 時行
…………
(茂みに隠れ)

美麗 父
………
(茂みから出てきて)

美麗 父
これは頼重様!
私の娘を見かけません
でしたかね…!灰色の
髪の…少し特殊な子供
なのですが…

諏訪 頼重
はて…その様な子供は
見たことがないですね…

美麗 父
そうでございますか…
どこに行ってしまった
のやら…

諏訪 頼重
向こうの方
(諏訪大社とは正反対
の山の方)
を探してみたら
いるかもしれませんね

美麗 父
そうしてみます。
ありがとうございました。
(去っていく)

諏訪 頼重
………

諏訪 頼重
もう出てきて頂いて
大丈夫ですよ。

北条 時行
頼重殿。あれは
誰なのですか?

咲柄 美麗
あれは…私の父です。

北条 時行
そうなのですか…
貴方を探していましたよ?行かなくて良かったのですか?

咲柄 美麗
私は、母が病で亡くなってから、毎日父から暴行を受けています…

諏訪 頼重
やはり…そうでしたか。

咲柄 美麗
!

北条 時行
頼重殿、気づいていたのですか?

諏訪 頼重
はい。体の傷のつき方から分かります。

咲柄 美麗
父からは、毎日殴られ…
蹴られ…刃物で傷を
つけられたこともありました…

北条 時行
確かに怪我が酷いな…

咲柄 美麗
それで家を飛び出して
此処まで来たのです。

諏訪 頼重
なるほど…では早く、
諏訪大社まで行って
傷の手当てをしましょう。

咲柄 美麗
諏訪大社…?

諏訪 頼重
諏訪大社とは、
信濃・諏訪にある、
我が領地です。

咲柄 美麗
なるほど…

諏訪 頼重
ひとまず、諏訪大社で
貴方をかくまいさせて
頂きます。

咲柄 美麗
…すみません…その…
『かくまう』と…
言うのは…どういった
ものなのですか?

諏訪 頼重
貴方を諏訪大社で
保護し、安全な状態に
するということです。

咲柄 美麗
…いいのですか…?

諏訪 頼重
もちろんでございます。

咲柄 美麗
ありがとうございます…!
