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……うるさい
何故こんなにも世の中は騒がしいのか。
…そして、とても理不尽だ。
20XX年、世界はある組織に支配された。
そして、人々の自由と人権のほとんどを 彼らに奪われた。
……昔のような平和はどこいってしまったのか…………。
そしてこの世界を変える者は現れて くれるのか…。
目を覚ます。
周りを見渡すと必要最低限の家具だけしかない部屋がみえた。
私はいつも通りの行動をする。
身支度を終えると私は部屋を出て階段を 降りた。
……
私はその沈黙を遮るように小走りで玄関に向かった。
どんっ/
右肩に強い衝撃が伝わってきた。
何で殴られたのか。
私は振り向かずに走って玄関のドアを開けてこの嫌な建物から飛び出した。
……私は孤児院に住んでいる。
そして、ついでに酷めの仕打ちを 受けている。
……でも、まあ、私は見えないからまだ 耐えることが出来る。
私には人が見えない。
だから、今もこの街には人がいるはずなのに人の姿が見えない。
とても嫌な能力であり、私を救う唯一の救いでもある。
……まぁ、私はこの能力のおかげで雰囲気を読み取る力を得て、耳が良くなった。
悪いことだけではない……
私は少し痛む右肩をさすった。
どこに向かってるのかも分からず足だけを進めた。
ざーっ
少し遠くにある桜の並木が揺れている。
きらきらと桜の花びらが地面に向かって 踊るように落ちている。
……そうだ。今日は入学式だ。
私は無意識のうちに学校に向かっていた らしい。
満開の桜。私は運が良いな。
人が見えないため桜がとてもはっきりと 見えた。
生徒らしき者達が同じ方向に 歩いていた。
生徒達は浮き足立った雰囲気で学校に 向かっていた。
高校生1
高校生2
……視線を感じる。
まぁいつもの事なので気にせず歩く。
私は人を避けなくても立ち止まることなく人混みを歩いていけた。
誰もが私を見ている。
高校生1
高校生2
キーンコーンカーンコーン
高校生1
人混みがざわざわと焦った。
そして足音達が足早に学校に向かって 歩いていった。
私はさっきと同じペースで歩いていた。
【講堂】
教頭
??
??
教頭
??
校長
校長
??
…………
それからしばらく話は続いた。
教頭
教頭
皐月小春
その声を合図に一人の人影が立ち上がった
……え
と、会場内が混乱に包まれた。
誰もが彼女に目を奪われてしまった。
そして、何故か胸を高鳴らせてしまった。
彼女は綺麗に背筋を伸ばして前に 歩いていった。
彼女の美しい髪がさらさらと揺れる。
……涙が出そうになるほど美しい
??
彼女は舞台の上に上がった。
そこにある全ての視線が彼女へと 向けられた。
彼女は少し間を開けて口を開いた。
そして彼女の声が会場内に響き渡った。
凛と透き通っていて耳に自然に入り そのまま身体中を巡るような声だった。
誰もが彼女の言葉の一語一句を逃さずに 聞こうとしていた。
彼女はとても凛としていた。
彼女が光り輝いて見えるくらいに。
……それほど彼女は魅力的だった。