ザカオ
ねぇ、ダーマ今一体何をしてるの?
ダーマ
俺は別に何もしてないよ。
ザカオ
じゃあ今度みんなで会おうよ!
ダーマ
......ザカオは優しいんだね。
ザカオ
.....え?
ダーマ
俺は会えないんだよ。
あいつらには。
ザカオ
何で.....
もしかして、小さい時のあの時のこと?
ダーマ
...............
ザカオ
あれなら、もう誰も気にしてないよ。
大丈夫だよ。
ダーマ
......そういう事じゃないんだよ。
俺はあいつらに会う資格なんて無い。
ザカオ
え?
ダーマ
あの時俺は契約したんだ。
封印されていた悪魔のような鬼と。
ザカオ
鬼......と?
ダーマ
力と友達どちらが必要?って問われて
俺は力と答えたんだよ。
ザカオ
それはダーマの事だから
友達を守るためには力が必要だって考えたんじゃないの?
ダーマ
だとしてもだよ。
ザカオ
...え?
ダーマ
その時俺はあいつに見せられたんだ。
みんなが俺から離れていく映像を何度も何度も、気が狂ってしまうようなくらいに。いや。もう狂ってたのかもしれない
ザカオ
ダーマ...?
ダーマ
友達を選ばなかった俺なんか最初から狂ってるんだよ。
ザカオ
そんな事あるわけ......
ダーマ
あいつらを見ると多分、
思い出しちゃうんだよ。きっと
ダーマ
あの時に見せられた映像、記憶、
その全てが、
ザカオ
ダーマ...
ダーマ
あいつらには何にも悪い点なんて無い。
ダーマ
これは俺の問題だから。
ザカオ
ダーマ、みんなで解決出来ることだってあるんだよ?
ダーマ
違うよ、ザカオ。
そう言うと電話の向こうから
冷たい空気を孕んだ声でダーマは
言った。
ダーマ
俺は悪魔になったんだよ。
契約によって。
ザカオ
え?それってどういう...
ダーマ
ツクヨミっていう封印されていた悪魔の力を伝承した。
実は俺の一族ってそれが仕事だったらしくて、
ダーマ
爺ちゃんの代からの仕事らしいから。
俺がやるっきゃないんだよ。
ザカオ
そんなのって無いよ......
あんまりだよ。
ザカオ
ダーマがそんな重い責任を何で負わなきゃならないんだよ!
ダーマ
ザカオは本当に優しいんだね。
ダーマ
そうやって泣いてくれる人がいて、
俺は幸せだよ。
ダーマ
もうすぐ、全てが乗っ取られる。
ダーマ
いつまで続くのかは分からない。
ザカオ
ダーマ駄目だよ!
ダーマ
次会えた時は俺は俺として生きられているのかなあ?
ダーマ
こうやって話せて嬉しかった
ザカオ
ダーマ?
ダーマ
.....また.......どこかでな。ザカオ。
あいつは、仲間のことを一番に思うことの出来る良い奴なんだ。
ザカオ
もう.......嫌だよ。
ツクヨミ
貴方はそんなにもダーマが大切?
ザカオ
.........あんた誰?
ツクヨミ
これは失礼。
俺の目の前には黒髪ロングの着物を着た女の人が立っていた。
ツクヨミ
私の名はツクヨミ。
ツクヨミ
貴方はダーマに何故そこまで
何かしてあげられる事は無いかって
考えるの?
ザカオ
.......そんなの簡単だよ。
俺達は友達だから。
友達がどうやったら笑顔になれるかとか
そういうのを考えるのが多分性に合ってるんだよ。
ツクヨミ
理解不能。
他人の為?そんなのは自分の事が出来てから手をつけてなんぼの話。
挙句の果てには幸せになって欲しい?
笑わせないで。自分の幸せも願えないような奴が、他人の幸せ願ってんじゃあねぇよ!
ザカオ
.....君はどうしてそこまで言いきれるの?........
ツクヨミ
......貴方には教えない。
ダーマ
そこまでだ。
ザカオ
ダーマ!?何で!?
ツクヨミ
.....あら、何の御用です?
貴方はあの空間から出てはならないと忠告したはずですけど.....
ダーマ
それ以上ザカオに近づくな。
ダーマ
これは警告だぞ。
ツクヨミ。
ツクヨミ
チッ...........
ツクヨミ
....貴方がそう仰るのなら.......
ダーマ
大丈夫か!?ザカオ!
ザカオ
大丈夫、何にもされてないよ。
ザカオ
でも、どうして俺を助けにきたの?
ダーマ
そんなの当たり前だろ。
ダーマ
友達だから。
それにあいつにお前達を関わらせない為でもある。
ダーマ
...........だから、ザカオお前に頼みがある。.........一生に一度のお願いなんだ。
ザカオ
......ダーマ?
ダーマ
もし、俺が死ぬ運命が決定した時、
その時あいつらは俺を助けに来ようとしていたら、全力であいつらを止めて欲しい。
ザカオ
な、な、何で!?
俺ダーマが死ぬのなんか嫌だよ!
ダーマ
......ありがとう。
でも人はいずれ死ぬんだよ。
それが俺の場合人より早かっただけだから。大丈夫、何にも怖くなんかないから。泣かないで?ザカオ。
ザカオ
嫌だよぉ、ダーマ俺達と一緒に生きてよ。誰一人抜けたら意味が無いんだよ。
ツクヨミ
........くだらない
ダーマ
ツクヨミ!
ダーマ
.......ザカオ、お前さぁ何にも変わんないね。その人の為に何かしてあげようっていう優しいとことかさ、俺には無かったものだから。だからこそ、お前に頼みたいんだよ。
ザカオ
ダーマ......
ダーマ
....そうだ、これあげるよ。
そう言ってダーマは、黒い宝石がついたシンプルなネックレスを俺の首にかけた。
ダーマ
これは...お守り。
どちらの世界でも通用するお守り。
俺がおまえを守るから。
お前は.....お前らには笑ってて欲しいんだ。一生に一度のお願い聞いてくれないかな?.............
ザカオ
ダーマぁ、............俺で良いの?
ダーマ
お前しかもう頼りがいないんだ。
ザカオ
.......分かった。やれるだけやってみる。
ツクヨミ
全く....ご歓談はお済みですか?
ダーマ
あぁ、
ダーマ
じゃあな、ザカオ。
ダーマ
皆の事頼むよ。お前にしかもう頼めないんだ。
ザカオ
....寂しくなったら電話してもいい?
ダーマ
....それくらい別にいいよ。
ダーマ
もう、泣かないで。
ザカオ
うんっ(´;ω;`)
ダーマ
じゃあな。
ザカオ
俺がダーマを支えるんだ。