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少女が父の膝の上で 幸せそうに眠っている
心守
心守
三郎
男は笑いながら 娘の小さな頭に優しく手を乗せた
その笑顔は男の普段の 険しい表情とは真逆の
とても、とても優しい笑顔
少女の頭を撫でる手は
大事な宝物を触るような 凄く繊細な動きだった
三郎
三郎
男の動きが止まる
思い出されるのはあの日の光景
燃え盛る建物
そして一人の女と
赤ん坊
この子の成長を一分でも一秒でも 決して忘れる事はない
だがそれは自分が してしまった事も同じだった
こんな時ほどアンドロイドの 記憶力を憎んだ事はない
男がした事は消えないのだ
現実でも、記憶の中でも……
三郎
ガサッ……
三郎
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三郎
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三郎
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三郎
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三郎
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三郎
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女は男が撫でる少女を見ながら 不思議そうな顔をしている
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三郎
三郎
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三郎
三郎
三郎
三郎
三郎
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三郎
三郎
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三郎
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三郎
三郎
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三郎
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三郎
三郎
三郎
三郎
三郎
三郎
三郎
三郎
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三郎
三郎
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三郎
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三郎
男は懐から、昼間娘から貰った Eキューブを取り出す
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三郎
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三郎
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三郎
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三郎
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三郎
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三郎
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三郎
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三郎
三郎
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三郎
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三郎
三郎
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とても楽しそうに笑いながら 女は廃墟から出ていった
三郎
三郎
三郎
相変わらず幸せそうに眠る 女の子を優しく撫でながら
夜はふけていく……
心守
三郎
三郎
三郎
心守
三郎
三郎
ひ弱そうなアンドロイド
三郎
ひ弱そうなアンドロイド
三郎
ひ弱そうなアンドロイド
ひ弱そうなアンドロイド
ひ弱そうなアンドロイド
三郎
刹那
三郎の背後 そこにある襖を突き破って
三郎
三郎
輝くそれが男の背中に突き刺さった
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三郎
三郎
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三郎
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ひ弱そうなアンドロイド
心守
三郎
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突如現れた男はいつの間にか 父と娘の間に立っている
三郎
三郎
三郎
心守
心守
震えた声で少女が叫ぶ
声とは裏腹に 父を見つめるその瞳には
強い信頼が見てとれた
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三郎
男が投げ飛ばしてきた刀を 紙一重で避ける
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三郎
三郎
太股側面から 刀を相手に向けて射出
一瞬動揺した細長い男との距離を 一気に詰める
射出した刀に追い付き 回転を加えた一閃
ギィン!
相手の体を切り裂いたかと 思われた一撃は
刀と刀がぶつかる音にかき消された
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三郎
三郎
三郎
三郎
三郎
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三郎
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三郎
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三郎
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三郎
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紡がれる言葉と違い、男の表情は 現れてから一切変わっていない
だが淡々と発せられる言葉には 信念のような物が感じ取れた
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男の体から幾つもの 機械の手が生えてくる
そのどれにも鈍い色をした 刀が握られている
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ギィン!
廃墟の中で刀同士が ぶつかる音が響く
一度
二度
三度
剣劇が始まってから お互いの体に新しい傷は未だない
三郎
三郎
三郎
三郎
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三郎
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6本の刀が男の胸一点を 目掛け突きを放つ
寸でのところで 何とかその攻撃を弾く
だが……
バランスを崩した男に 今度は6方向からの攻撃が迫る
三郎
三郎
ドンッ!
足元の地面を割らん勢いで 足を下ろす
地面はまるで角砂糖を 溶かすかのように粉々になり
そこに立っていた 相手の体勢を大きく崩した
三郎
三郎
ギィン!
ギィン!
ギィン!
ギュィーーン……
3本の手から繰り出される斬撃を 男は全て防いだ
三郎
男は気付いていなかった
斬撃の中に異音が紛れていた事に
小型範囲爆発ジャマーによる 感知機能の低下
そして大事な娘を奪われた焦り
危機を乗り越えた ことによる安心感
そして突如目の前に現れた かつての仲間に対する動揺
全てが合わさって その一瞬が訪れた
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三郎
三郎
終わりを告げる男の体が 真ん中から左右に割れ
そこに現れた4つの銃口から 放たれたレーザーが
廃墟を跡形もなく吹き飛ばした……